まとめ

過去ログ780 2018/5/13 8:18

★日曜日
デアレガーロ
前走の京都牝馬Sは力の要る馬場でペースはかなりのスローとなり、そこからのL2最速で11.3と速いラップ踏まず、加速していく競馬となりました。
直線まではミスパンテールの方が前にいましたが、直線入りではこちらの方がかみ合っており、一瞬は前にでましたが直線で前が壁になって後手を踏んだミスパンテールに差し切られての2着。
スローでの単純な決め手勝負では少し見劣りましたが、前半から流れた中で勝負ができれば逆転可能です。

デアレガーロ
2走前の市川ステークスは好時計の中で鋭く脚を引き出し、前走の京都牝馬ステークスでは力の要る馬場でも2着と結果を出してきた1頭。
時計的に足りているのは大きな材料で、エンジンが掛かってからの脚色という点ではインパクトがありました。
ただ、この馬の場合は少しエンジン乗っかりが悪いため、馬群の中で不利があると加速に時間が掛かるため、スムーズに外に誘導してスピードに乗せる必要があります。

デアレガーロ
素材的には通用していい1頭で、2走前の市川S(1着)はレースレベルを考えてもかなり高く、ミスパンテールとは適性的に逆のタイプですが、前走の京都牝馬Sではスローで余力がある中での決め手勝負でミスパンテールからコンマ1秒差の2着となりました。
しっかりと前半から流れた中で勝負ができればミスパンテールを逆転する事は可能です。

レーヌミノル
馬場が渋って後半を消耗させる競馬がベストで、高速馬では45秒台半ばでは入っていかないと厳しくなりそうです。
アエロリットと比べるとより前半にシフトしたタイプだけに、条件としては良馬場想定となるだけに厳しそうな1頭です。


アエロリット
近走で崩れているのは2走前の秋華賞7着で、このレースは重馬場で2秒とかなりのハイペースとなり、そこからの後半は5Fで12秒台を連続する消耗戦となっていました。
このケースの場合は前半のパワー型スピードをかなり要求されるため、秋華賞の敗因は距離と言えます。
強かった昨年のNHKマイルカップでは厳しい流れの中での競馬で、前半のスピードと後半のトップスピード持続を問われた中での勝利となり、府中マイル適性はメンバーで1番と言えます。

レーヌミノル
桜花賞もマイルCSも時計が掛かる馬場で力を発揮しており、3歳時のクイーンCではアエロリットに平均ペースの中で2馬身半差の完敗をしています。
当時は平均ペースでも中弛みがあったことを考えると、単調な流れなら差は詰まる可能性は考えられます。
また、1400m戦の阪神カップではハイペース戦で7着に完敗しましたが、あの一戦は相当なハイレベル戦で、1400m戦でもあそこまで高速馬場で流れた中で最低限は対応出来ており、高速馬場でもマイルで淀みなく前目で引っ張る、という競馬ならチャンスはあります。

レーヌミノル
少し渋った方が良いタイプで、力の要る馬場で33秒台半ばぐらいまでの競馬になってくれれば浮上します。
高速馬場ではアエロリットの方が上の評価となり、ペースが平均まででトップスピードがある程度問われてしまうとトップスピードの持続力で分が悪くなります。

レーヌミノル
雨が降ってパワー型のスピードを問われれば今回のメンバー構成ではトップレベルの1頭で、距離がマイルに戻る点もプラスとなります。
マイルチャンピオンシップではマイルで牡馬相手に4着に健闘しており、上位陣はペルシアンナイト、エアスピネル、サングレーザーという現役トップ3のマイラーでした。
牝馬限定なで馬場が重くなるようなら大きく浮上する1頭ですが、時計勝負になると評価は下がります。

アエロリット
この馬の競馬ができれば他馬につけ入る隙はありませんが、47秒ぐらいでスローになってしまうとこのメンツなら10秒台のラップを問われてしまいます。
トップスピードの質勝負ではアドマイヤリード、ミスパンテール、リスグラシュー、レッツゴードンキ、デアレガーロが浮上してくるため、そういうスローに展開は避けたい1頭。
桜花賞でもやれているように、この馬は多少雨が降ってもマイルなら流れに乗れば問題ありません。

アエロリット
ペースさえ引き上げてしまえばこのメンツなら一枚上の存在。
スローになってしまうと10秒台のラップを問われてトップスピードの質勝負になるため、トップスピードの質で見劣るこの馬は苦戦しそうですが、11秒台がつづくトップスピード持続戦での時計勝負ならこの馬が最有力となります。
府中マイルのNHKマイルCが強い内容での勝利となっており、左回りでは動き出しが良くリスグラシューと同様に左回りでパフォーマンスが上がる1頭と言えます。
前走は右回りの中山コーズでも18キロ増の余裕のある馬体でクビ差2着に好走しており、今回は大きな上積みが期待できます。

★日曜日
リスグラシュー
前走の阪神牝馬Sは最後に突っ込んできましたが、このあたりが阪神の右回りでの特徴と言えます。
それでも以前に比べると反応もマシになっており、L3最速で仕掛けが早かったというのもありますが決定的に食い込んできたので先に繋がる競馬だったと言えます。
今回は東京戦のヴィクトリアマイルに変わり、スローの右回り阪神戦からは流れる左回りで大きくパフォーマンスを上げて来そうな1頭です。
もうひとつの理想は高速馬場ではない状態になる事で、道悪の馬場なら更にパフォーマンスを上げてきそうです。


リスグラシュー
前走の阪神牝馬Sはラップ的にL3−2が東京新聞杯とそんなに変わりませんでしたが、ここでの反応が目立たなかったというところからも前走は『右回り』、というのが影響していると言えます。
この馬は府中だと別の馬のように動きますが、それ以外ではパフォーマンスが落ちます。
以前は狭い所に入ると気を遣う場面が見られましたが、2走前の東京新聞杯ではそのような面が見られず、気性的に成長しています。

ミスパンテール
前走の阪神牝馬は前半3Fが非常に遅く37.2と極端な遅さでした。
中盤以降は11秒台に入っているとはいえ、トップスピード持続戦となりスピードは問われない内容となりました。
前走の内容はスピード勝負になりがちなヴィクトリアマイルとは関連が低く、前走で上位の同馬よりもスローで適性的に合わずに負けた馬の方が妙味はあります。

ミスパンテール
前走の阪神牝馬Sは外から逃げて超スローの状態をキープして3角までにうまく最内に入り込むと、ここからペースを少し引き上げて後続に仕掛けの意識を持たせないまま直線に入り、直線序盤でレッドアヴァンセが競りかけてきてからの仕掛けとなり、渋太く伸びて外からの差し込みを凌ぎ切っての勝利となりました。
3走前のターコイズSは要所の加速性能の高さを見せており、後半の総合力の高さを見せてフロンテアクイーンとともに反応しての勝利となりました。
この馬が安定しているのはこの後半の総合力の高さで、スローだと大きく崩れる要素はありません。

ミスパンテール
前走の阪神牝馬Sはゆったりした流れに支配して前残りの展開での逃げ切り勝ちとなり、2番手のレッドアヴァンセも残っていたように展開面が大きかった1戦です。
逃げたのは奇襲的で本来はこういう競馬をする馬ではないだけに、今回は中団からの競馬となりそうです。
ただ、前走はスタートも上手く決めたことでしっかりと前に持っていけており、超スローから前に目標がない状況でもしっかりと加速出来たように『逃げる』という策も選択肢となったのは大きな材料と言えます。
ハイペース戦では厳しくなり、適性的にはアエロリットは逆の適性と言えます。

ミスパンテール
チューリップ賞2着後に好結果が続かなかったのは気性の問題が大きく、桜花賞では前半で力んでしまい、勝負どころでは反応できずに16着。
オークスも東京競馬場のG1レースでイレ込みが激しく、レース前に消耗してしまい10着。
ローズSでは良馬場表記ですが実際は馬場が湿っており、馬場に脚を取られてバランスを崩す競馬で10着。
この馬は4走前からようやくレース本番にて安定して力を出せるようになっており、体型的にはもう少し長い距離でもこなせそうな馬ですが、気象的な問題からマイル路線でのみ結果を出せています。
4連勝の内容からもスローで流れる競馬が理想と言え、勝負どころの反応の良さを生かすことで安定して結果を出しています。
瞬発力勝負に持ち込みたくないアエロリットが流れる展開を作る可能性が高いだけに、今回は得意とは言えない流れでの1戦となりそうです。

リスグラシュー
スピード面が問われるとポジショニングを含めて不安が大きくなる1頭で、この馬もミスパンテールと適性面が似ています。
スピード自体は桜花賞で46.5-48.0とハイペースの流れで突っ込んでいるように対応可能ですが、これは後半の48.0の地点、L1の減速地点で突っ込んできているに過ぎません。
高速馬場でこのメンツなら入りが46.5の場合、後半はそれより速くなってきます。
その中で後ろから差すほどの決め手というのは府中でも難しくなりますが、道悪になるなら大きく浮上する1頭です。

★日曜日情報
ヴィクトリアマイル(厩舎・騎手情報)
今年の注目ポイントは横山騎手の騎乗馬で、昨年のNHKマイルC(G1)の覇者でここまで通算9戦すべてに騎乗しているお手馬アエロリットと、4連勝中の上がり馬ミスパンテール。
横山典騎手は昨年からエージェントを付けておらず、昆貢調教師も「ジョッキーがこの馬を選んでくれた」と明言している通り、横山典騎手が自らの意思でG1馬のアエロリットではなく、ミスパンテールを選択したことになります。
これは横山騎手がアエロリット>ミスパンテールという力関係と判断しているわけではなく、別の理由が存在します。
横山騎手は昨年にエージェント契約を破棄し、積極的に関西の栗東にも足を運ぶようになりました。
その中で昆厩舎との関係強化が培われ、以前は四位洋文騎手が主戦的立場だった昆厩舎が今年からは横山典騎手への騎乗依頼が急増して主戦が入れ替わる状況になってます。

今年の重賞レース(地方交流含む)で、昆厩舎の馬に横山典騎手が騎乗した場合の全成績
日経新春杯 ロードヴァンドール4番人気2着
佐賀記念 トップディーヴォ2番人気2着
京都牝馬S ミスパンテール1番人気1着
エンプレス杯 アンジュデジール4番人気1着
日経賞 ロードヴァンドール4番人気4着
阪神牝馬S ミスパンテール1番人気1着
マリーンC アンジュデジール1番人気1着
アンタレスS トップディーヴォ4番人気4着
厩舎の馬に横山典騎手が騎乗した場合、人気を一度も下回っておらず、昆調教師が「勝ち負けになる」と自信を持つ馬を横山典騎手に託し、横山典騎手も勝ちに行く競馬をしているため、ポツン騎乗などは行っていません。
横山典騎手が最終的にアエロリットではなくミスパンテールを選んだ理由は、この関係を今後も強化したいという思いがあり、ここでミスパンテールに騎乗することによって、絆はさらに深まることは間違いありません。
しかも、昆厩舎は横山典騎手だけでなく、息子の横山武史騎手にも積極的に騎乗依頼を出しており、まだ実績のない横山武騎手を可愛がってくれる昆調教師は、父親の横山騎手からすれば、息子の"面倒"まで見てくれている貴重な存在と言えます。破天荒な騎乗が目立つ横山典騎手でも昆厩舎の馬に騎乗するときはマジメに騎乗しており、『「実績もあって勝つチャンスのある馬」よりも自分の厩舎の馬を選んでくれた』という今回の選択で増々昆厩舎の信頼は深まりました。

さらに、もう1点付け加えると、今回手放したアエロリットを管理する菊沢隆徳調教師は横山典騎手の義弟に当たり、妹の夫という間柄となっています。
アエロリットの他にもミッキースワローの大阪杯(G1)や青葉賞(G2)に出走したミッキーポジションなどは横山典騎手を起用しています。
アエロリットは身内の厩舎となるだけに、今回アエロリットを選ばなかったとしても、後々手元に戻ってくる可能性が高く、今回横山騎手がミスパンテールを選択した材料は馬の能力ではなく、横山騎手や息子のための今後の事を考えての選択と言えます。
これまでは昆厩舎の馬で重賞では人気以上の着順に来ていましたが、今回は『横山騎手がアエロリットよりもコチラを選んだ』という点で過剰人気する可能性が高く、人気よりも着順を落とす可能性がある1頭と言えます。

池添騎手も今回のレースで「2つの選択肢」があり、中山牝馬S(G3)を勝利し、前走の福島牝馬S(G3)で2着と重賞で連対中のカワキタエンカ。そして今回騎乗することを選択したデアレガーロ。
デアレガーロは前走の京都牝馬S(G3)で勝ち馬ミスパンテールに0.1秒差の2着と好走しましたが、同馬はキャリア8戦の重賞未勝利馬。
これまでの実績を重視するならカワキタエンカに騎乗すると見ていましたが、デアレガーロは前走、輸送に時間がかかったため飼い食いも悪くなり、万全とは言えない状態だったようです。
そんな状態でもミスパンテールを追い詰め、コンマ1秒差の2着。
池添騎手にはエージェントがついているため、本人の意向がどこまで反映されるのかは不明ですが、それでも少しは考慮されるはずです。
デアレガーロが東京競馬場を走るのは昨年6月以来となり、当時は6着に敗れていますが、当時は地下馬道が苦手で相当イレ込んでしまい、レース序盤で目に壁を作れずに力を発揮できなかった1戦です。
イレ込みがきつかった馬が今はドシッと構えてレースが行えるようになっており、カワキタエンテカのペースならこの枠でも掛かる不安はありません。


今年のメンバーを見ると、逃げ馬はカワキタエンカ1頭で、前走逃・先行馬は4頭いますがそのうち1頭は先行馬で3頭は差し馬だけに、今年は例年に比べてペースが速くならない可能性があります。
レッツゴードンキの近走はスプリント戦で安定した成績を見せていますが、1400m、1600mでも良績があります。
過去2回のヴィクトリアマイルでは、レッツゴードンキのレースが出来ておらず、2回ともスタートを良く出て、外目を走り、中団より前にポジションを付けましたが、そのあと掛かり気味で岩田騎手が手綱を引いてる状態となっていました。
これでレッツゴードンキのペースが狂ってしまい、2回とも直線は岩田騎手が追い出して良い末脚を見せていましたが、ガス欠状態となってしまい2年連続で二桁着順となりました。
「レッツゴードンキは道中で無理に引っ張ったり、テンに仕掛けたりするとダメなタイプで、リズムを崩さないで運ぶことが重要です。過去2回はこれが出来ていませんでしたが、最善の方法はシンプルに真ん中より内枠を引くことです。内枠であれば自然と壁ができるので、岩田騎手が手綱を引いて馬の機嫌を損ねることはありません」との事。
今年はペースが例年よりも落ち着く可能性があり、外枠なら一旦、後方でレースを進めて、3コーナーから上がっていく競馬が可能です。
レッツゴードンキはこれまで何度も上がり3位までの脚を繰り出しており、手綱を引くこともなくそのまま追いすことができれば過去2回のようなガス欠の心配ありません。