1 ポコチン先生
男性

日研で

素晴らしいペニスをお持ちの方、いらっしゃいますか?
2 893
あー、俺も痛いわ。
なんでだろ。普段は常識人というか、おとなしいというか、めったなことではキレないんだけどギャンブルの時だけはダメだ。理性がなくなる。
昨日も朝一から1000ハマり。花の慶次で。
その台は1K20回転くらいだったんだよ。つまり10万以上突っ込んでいた。
で、昼過ぎくらいにはさすがに頭も痛くなってきて休憩。外へ飯を食いに行った。
そしてここからなんだよ。帰ってきたら俺の席に若い兄ちゃんが座っていやがる!
玉は打ってなかったし、台の番号を見上げてすぐに席を立ったから勘違いで座ってしまったんだろうけど。
だけどこっちは朝から1000ハマりの投資額10万円だぜ。カッときたね。怒りで目の前が真っ暗になった。
「テメェ、何してやがるんだ!」すぐさま兄ちゃんの胸ぐらを掴んで叫んだよ。店内の客すべてがギョッとして振り向くくらいの大声で。
そしたらその兄ちゃんの対応さ。
いきなり殴りかかってきやがった!
吹っ飛ばされたね。俺。ドゴン、って鈍い音を響かせて。
「やりやがったな」口からダラダラ血を流して俺は兄ちゃんをニラミ付けたよ。間髪を置かずに反撃。
あ、ちなみに俺は中、高とボクシングをやっていたんだ。将来を嘱望される程の実力だった。プロからのスカウトもちらほら。
そんな俺の右ストレートがうなりを上げて奴の顔面めがけ一直線。
が、奴は涼しい表情でそれを見切りやがった!
風に舞い上がった前髪を手櫛で払って、「ふぅぅぅ。そんなんでは私を倒せませんよ」ときたもんだ。
片足立ちの両腕を広げた鶴のポーズで臨戦態勢。中国拳法の達人だったんだ!
これはヤバイ、と思ったね。奴の瞳は狂気に光っていた。獲物を狙う獣の目だ。
たぶん俺の顔には死相が浮かんでいたことだろう。
もしあの時、騒ぎを聞き付けた奴の師匠の老人が現われなかったら今の俺はないね。うん、間違いないよ。
「真に闘うべきは我にあり」か……。
あの老人が俺と兄ちゃんに向っていった言葉なんだけど、深いよな……。