ゲゲゲイの悪太郎（後編）

以上のような訳で、悪太郎はしばらくの間、言うべき言葉を見つけられず無言を貫いていた。

とんぬらりひょんはとんぬらりひょんで、無粋な質の為か、ことさら気まずさを感じているようでもなく、物思いにでも耽っているかの様に、こちらもまた黙ったままであった。

ややして、この均衡を破ったのはやはり耐えかねた悪太郎の方であった。
「とんぬらりひょん！人間界から手を引きなさい！あなた達のやっていることは仁義あることではないわ！ただの虐殺よ！」

彼は『禿げ』の話題をあたかもそれが初めから無かったかの如く無視した。そうすることで彼は、自分は毛髪のことなど気にしていない、という意思表示にしたかったのだ。

しかし次の瞬間、老人はその凶器とも言える無邪気さで、彼に斧のような更なる一撃を加えた。
「うるさいわい若禿げ。」

若禿げ。知っての通り若くして禿げた者のことを言う。それまで悪太郎は禿げ、という大きなカテゴリーの中に属されていた。禿げは世の中に大勢居る。まさに今目の前に居る老人こそもその一人であった。

その事が悪太郎にとって大きな唯一の救いになっていたことは言うまでもない。
しかし彼は今、若禿げ、という禿げの中でも稀なケースに分類された。

こうなればもう彼に救いは無かった。言わば禿げ階級の最下層に収まってしまったのだ。
「おどれこん畜生が！」

悪太郎は久しく忘れていた身もたぎる様な怒りに突き動かされ体裁を気にせず男言葉でそう叫んだ。そして迷うこと無く怒りの対象である老人に向け毛針を放った。

毛針とは禿げにとって最高に残酷な自虐的攻撃手段である。ただ、彼にはもはや開き直る以外に己の感情を抑える術が無かった。
彼の頭から無数の尊き命が飛んでゆく。

しかしその身は細く、短く、昔のようなたくましい針金のような様にはならなかった。

悲しいことに、彼の頭からは、パラパラとふりかけのようなものが芥のように、フケのように老人の元へ、無害なる穏やかな風にすら邪魔されながら飛んでゆくだけであった。

当然そんなものが殺傷能力を持ち得るはずがなく、老人は苦笑いしながら着物に付いたゴミとも毛とも知れぬものをぱたぱたと手で払った。
「禿げは元も子も無いのう。」

と老人は悪太郎を見下して言った。
悪太郎はほとんど無意識に頭のてっぺんに手をやり、その行為を己で気付いて恥じた。

彼はその恥を振り切るように次の一撃を放つ。
「それ！それ！」
内股の足から繰り出されたリモコンハイヒールが老人を一直線に襲った。

老人は杖の把手に手をやると、ハイヒールに向けてその手を一閃に振りぬいた。
金属同士がぶつかるような音がして、ハイヒールは二足ともに真っ二つになっていた。

杖は、中身が刀である仕込み杖だった。
老人は不敵な笑みを浮かべ近寄ってくる。手には鈍く光る刀を持って。
「悪太郎！キャミソールを使うんじゃ！」

目梨の親父が叫んだ。悪太郎は手間取りながらもキャミソールを脱ぐとそれを老人へ投げ付け、自分は現わになった乳首を両手で隠した。

当然これもただのキャミソールではない。妖気を帯びている。キャミソールは老人に巻き付かんとしたが、老人はこれをも一刀の元に切り捨てた。

もはや裸同然の悪太郎。残す技は体内電気のみである。この技は相手と密着せねば使えない。刀を持った相手に対しては捨て身の技であろう。

悪太郎は想った。新宿二丁目で出会ったダニー、サトシ、晴男。彼らにまた抱かれたい。なんとしても守りたい。
彼は決意した。

両手を挙げ万歳の格好のままライオンの様なおたけびを上げて老人に向かって突進した。
老人は刀の切っ先を悪太郎の方へと向け、怨敵の最後の攻撃に備えた。

二人が交錯する。
老人の刀は、悪太郎の腹を貫き背中に抜けていた。背中から突き出した刀身からは赤い雫が滴っている。

ただし悪太郎は倒れない。太い象のような足でむんずと大地を踏みしめると、わっしと老人に抱きついた。
「むう、離せやい悪太郎！」

されど悪太郎は歯を食い縛り離さない。刀も彼の肉が万力のように締め付けて抜けそうに無かった。
「さあ食らいなさい」
悪太郎は体内電気を放った。老人の体は強烈な電撃を浴び反り返った。

しかし老人の体はその程度の電撃には耐えられるように出来ていた。
「無駄じゃ無駄じゃ、そのまま血を流し続け力尽きるがよい」

老人の言う通り悪太郎の体力は限界に近づいていた。
悪太郎は、老人を片手で抱えながら空いた手で老人の着物の裾を捲った。
「こら何をする気じゃ！」

そして更に老人の尻に食い込んでいるフンドシをも横にずらすと、指で肛門を開き、そこに自分のペニスの先をあてがった。
「やめんか変態！」

悪太郎にはもはや何の迷いも無かった。彼は一気にペニスを肛門の中へ、ずずい、と押しやった。

老人もカツヤク筋を活躍させて必死の抵抗を見せたが、何しろ年寄りの肛門は緩かった。悪太郎のペニスは、ついにはその根元まで菊門の中に収まった。

「フォーーー！！」
老人は奇妙な叫び声をあげた。痛さと屈辱感で頭がおかしくなりそうだった。何か大切なものを失った気がしたがそれが何であるのかはよくは分からない。

彼の長い人生の中でも、初めて味わう感覚であった。
老人は泣いた。年甲斐もなく泣いた。

しかし今の悪太郎にはその涙を哀れに思う心の余裕はない。
「さあ、いくわよ、電撃マックス！」
誤解の無いように説明しておかねばならない。

悪太郎はただたんにこの哀れな老人を犯したかったわけではない。彼は体の一部を相手の体内に挿れることによって、内部からの電撃で敵を葬ろうとしたのである。

「悪太郎！やめんか！電撃マックスを放てばお主の体まで！」
木の影からこの戦いを見守っていた目梨の親父が叫ぶ。

「いいのよ、パパ。」
悪太郎は力なく微笑んだ。そして体を反らし、老人を宙に浮かせた。それはあたかもカブト虫がその角で邪魔者を釣り上げているようであった。

キモいです。

「パパ、地球のみんな、バイバイ。」
悪太郎は電撃マックスを放った。
老人の体を内部から痛烈な電撃が襲う。

更に、悪太郎はペニスをも激しく動かした。老人の肛門を摩擦熱と静電気が襲う。
「あかんって、こんなんほんとあかんって・・」

老人は泣き続けながらそれだけをうわごとの様に繰り返し呟いた。
そのうちに老人の尻が火を吹いた。その火は燃え広がり、やがて二人を包み込んだ。

燃えさかる炎の中、二人のピストン運動は続いた。それは黒い影のシルエットとなって目梨の親父の瞳に悲しく映り、彼の涙を誘った。
後にはただ、一握の灰だけが残った。

こうして悪太郎は人間界を守った。しかし彼のこの偉業は誰にも知られず、決して彼が英雄扱いをされることは無かった。

真の英雄とはそういうものなのであろう。歴史とはとても不誠実で不確かなものだ。
彼は歴史の裏でひっそりとその命を輝かせ、散った。それはあたかも真夜中にだけ咲く花のよう。

下かよ…

(ﾟдﾟ)・・・

誰に知られなくてもよいのだ。己のみ満足してその美しい花を咲かせることが出来れば。
その花の、他と比べなんと美しいことか・・。
　　　　　　　　　　　　完

ｽｷﾏﾆはゲイのすくつ。

駄作…

ｗ

ｗｗ

よく考えてある!!普通に偉い!!誰の事だかわからんがね…

マジレスすると
60点！
悪の髪の毛の話題を使った所は上手だった。

次も頑張って！
リクエストすると
毎度の話しがいいな。

八…せめて神龍砲で死にたかった(;∀;)
でも、ありがとう♪

Ｒー１８指定だなｗｗ

ｗｗｗ

w

わらたｗ

ｲﾚｲｻﾞｰ先生の小説が読めるのはｽｷﾏﾆだけ