1 陽花

【報知】中居がサムガでメンバーの名を叫ぶA

◆【歴代担当記者が見たSMAPの軌跡】中居、独立騒動まっただ中で取材依頼快諾

 16年1月15日夜10時、関係者から一本の着信があった。「先日、中居に頂いていた取材依頼の件ですが…」。解散・独立騒動が表面化した2日後、「SMAP×SMAP」で“生謝罪”する3日前のことだ。本紙を通じてプロ野球・巨人にエールを送ってもらおうと、年明けに依頼。当然ながら実現は不可能だと思っていた。そもそも、こちらもそんなことを忘れるほどの日々の中、答えは「OK」だった。

 インタビューは、その2週間後に実現した。騒動は一時、沈静化していた状態。「俺、あっちの方は分かんないんだよね」と自ら切り出したが、それ以上を語ることはなかった。その後は約30分、騒動の渦中にいることをみじんも感じさせることなく、目を輝かせながら巨人について熱く語ってくれた。

 取材記者の立場としては、もっと騒動の核心に迫ることをするべきだったかもしれないし、できたかも分からない。ただ、あの状況下で自分の意志で快く取材に応じてくれた中居に対して、それはできなかった。複雑な思いは残るが、唯一メンバーの人間性に触れることができた貴重な機会となった。

 2016年に担当を任された直後に遭遇した解散劇。一度も5人そろったSMAPを見ることなく、5人はバラバラになった。プロ野球・楽天担当1年目だった13年には田中将大投手の24勝無敗の大記録、創設初の日本一を取材。これも今後、二度とないであろう“事件”だったが、全て水面下で事が進む今回の解散劇と訳が違った。

 1月の騒動勃発時、机の引き出しから名刺を引っ張り出したら、ジャニーズ事務所の名刺は、まだ5枚しかなかった。そして8月の解散発表、12月の“ラストステージ”。一滴の水も出ないボロぞうきん状態になりながら、連日のように会社から1面原稿を求められた。何を取材すればいいのか、誰をどう取材すればいいのか、ただ考えるだけで時間が過ぎていった日もあった。どんなささいな情報でも、喉から手が出るほど欲しかった。毎晩のように関係者を酒の席に誘い出しては、どれだけ飲んでも酔えず、何度も朝まで1人ではしご酒をした。何とか食らいつこうと、ただその一心だった。

 12月19日に放送された最後の「ビストロSMAP」。中居は、かたくなに勝負の判定を拒むタモリに「あれ(前回)が最後だと思いたくないんだよ」と執拗(しつよう)に食い下がった。解散を迎えた今、結成から28年の活動を思い返しながら、様々な「あれが最後」を考えているのだろうか。

 結局、中居を含めた5人は真相を明らかにしないまま、解散を迎えた。この1年、SMAPが何度、夢に出てきたことか。「事実」ではなくても、ファンのためにも、ウソでもいいから5人が思う「真実」を明らかにしてほしかった。

 解散することが残念だとは思わない。ただ一時代を築いた5人の、あまりに残念な解散だった。まだメンバーと所属事務所の契約などの問題は残るが、2017年は、いい夢が見られますように。

(芸能担当)=終わり=

 ◆SMAPの2016年 1月に解散・分裂騒動が表面化した後、メンバーはそれぞれ仕事をこなしながら、公の場に姿を見せた機会はほとんどなかった。木村は8月の解散発表直後、旅行先のハワイから帰国した際にテレビカメラの前で「心配かけて申し訳ありません」と語った。9月には香取がCM発表会に出席、10月に稲垣が出演映画の舞台あいさつに登壇したが、ともに多くを語らず。草ナギは騒動勃発前に主演ドラマの制作発表に出席したのが最後。中居は15年末の紅白が最後となった。

◆【紅白】KinKi Kids感無量、昨年までSMAP使った楽屋でスタンバイ

 ◆第67回NHK紅白歌合戦(31日・NHKホール)

 2016年を締めくくる「第67回NHK紅白歌合戦」が31日、東京・渋谷のNHKホールで行われ、紅白計46組が出場した。CDデビュー20年目で初出場のKinKi Kidsは、「硝子の少年」を熱唱。SMAPのいない紅白をジャニーズ事務所の後輩が盛り上げた。

 堂本光一(38)は珍しく跳び上がってデビュー曲「硝子の少年」を締めくくった。99年の第50回にゲスト出演したが、今回が初出場。「この曲は山下達郎さんに頂いて『20年、30年たっても変わらず歌える歌』と言っていただいた。20周年の紅白で歌える。こういうことだなと思う。思いを果たせた」と、かみ締めた。

 特別な空間から17年ぶりのステージへと向かった。この日、NHKが用意した楽屋は、前年までSMAPが使っていた場所だった。2部屋を使っていたうちの1部屋が充てられた。ジャニーズJr.時代に5人のバックダンサーを務め、92年の紅白でも5人の後ろで踊った。「ご一緒できる機会があればとてもすてきなことだった」と光一。初出場の紅白で念願の共演はかなわなかったが、5人の歴史を背に歌声を響かせた。

 大みそかは14年を除いて毎年、東京ドームなどで恒例ライブを行ってきた。元日、2日には京セラドーム大阪での公演を控える。堂本剛(37)は「素直に楽しかった。おじいちゃん、おばあちゃんが天に昇っていて、見てるかなと思った。2016年、いい締めくくりができた」と目尻を下げた。新鮮な思いで新年を迎え、7月21日のデビュー20周年まで突っ走る。


(17/1/1(土)スポーツ報知)