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木村が13年ぶりのカンヌ映画祭、公式会見に出席@

■キムタク、13年ぶりカンヌに斬り込む「完全なるメイドインジャパンで」

 【カンヌ(フランス)18日=青森正宣】17日に開幕した「第70回カンヌ国際映画祭」(28日まで)に出品された邦画の盛り上がりをリポートする「カンヌ燃ゆ」(随時掲載)がスタート! 初回はアウト・オブ・コンペティション部門に選出された元SMAP・木村拓哉(44)の主演映画「無限の住人」だ。公式会見に出席したキムタクは、同映画祭に13年ぶり2度目の正式参加。前回は香港映画だっただけに「完全なるメイドインジャパンで戻ってこられたことに感謝しています」と興奮した。

 気温26度の南仏に広がる青空と心地よい涼風。

 キムタクは遠くの海を見つめながら、“なつかしい”カンヌの空気を、気持ちよさそうに全身で受け止めた。

 「完全なるメイドインジャパンでの参加。戻ってこられたことに本当に感謝しています」

 カンヌは2007年に主演作「HERO」のプロモーションで訪れているが、同映画祭への正式参加は、コンペティション部門に出品された04年の香港映画「2046」以来2度目。世界3大映画祭に初参加した13年前、「日本の作品でもこういう機会を経験できたら」とカムバックを約束。日本人監督、日本人キャストの“純日本製”で見事に有言実行し、自然と笑みがこぼれた。

 キムタクはドイツ・ミュンヘン経由で15時間のフライトを経て、現地時間17日夜にヒロインの杉咲花(19)、三池崇史監督(56)とフランス入り。疲れを見せず、凛々しい表情でこの日の公式会見に登場した。

 「無限−」で少女・凛(杉咲)から親のあだ討ちの助っ人を依頼される江戸時代の用心棒・万次を演じたキムタク。さまざまな武器を駆使する役だけに、海外の記者から「一番好きな武器は?」と聞かれ、「武器!?」と苦笑も、「凛を守り抜く気持ちですかね」とキッパリ。他にも同作を7度見たというシンガポール人記者ら50人の質問に答え、最後はサイン攻めにも気さくに応じた。

 同作が出品されたのは世界的に注目されている作品の特別上映枠であるアウト・オブ・コンペティション部門。右膝靱帯損傷の重傷を負いながらも撮影に臨んだ木村が、300人を相手に披露するド派手な殺陣がみどころ。この日の午前中の試写では450人が満席となるなど話題で、海外からの配給オファーも一気に増えそうだ。

 昨年末のSMAP解散後初の映画公開作。“ソロ元年”で、「TAKUYA KIMURA」の名を再び世界に刻む。

★ホテル料金5倍!?

 南仏のリゾート地で行われるカンヌ国際映画祭。毎年、人口7万人の小さな街に120の国と地域から映画関係者1万2000人が集まる。映画祭開催中の2週間で、飲食店や観光業に従事する人々は半年分の収入を一気に稼ぐんだとか。

 期間中のホテル料金は普段の約5倍にも跳ね上がり、木村らが宿泊している一流ホテル「カールトンホテル」はスタンダードの部屋でも1泊10万円に。彼らはさらに値が張るグレードの高い部屋に泊まっているが、出演者や監督は招待されている立場なので、映画祭が全額負担してくれるという。選ばれたスターだけの特権。庶民の記者にはうらやましい限りです!(青)

カンヌ国際映画祭
 ベルリン(ドイツ)、ベネチア(イタリア)と並ぶ「世界3大映画祭」の1つ。1946年創設。毎年5月にフランス南部のリゾート地、カンヌで開催。コンペティション部門では最高賞「パルムドール」、審査員特別賞「グランプリ」などが表彰される。審査員は著名な映画人や文化人が務める。各国の配給会社などに新作映画を売り込むプロモーションの場でもあり、マーケットの参加者だけで1万2000人の来場がある。

◆三池監督、キムタクに絶大な信頼!杉咲花は初カンヌに「ドキドキ」

 6回目のカンヌ参加となった三池崇史監督(56)は、初タッグを組んだ木村の起用理由について「日本のスーパースターでスーパーアイドル。万次を演じられるのは日本において木村拓哉しかなかった」と説明。「違う俳優だったら企画は進行しなかった」と絶大な信頼を寄せた。初の海外映画祭が大舞台のカンヌとなった杉咲花(19)は「すごくドキドキしています。街がお祭りムードで、みなさんすごく楽しんでいるんだなと…」と瞳を輝かせた。

(17/5/19(金)サンスポ)