1 陽花

【Yahoo!ニュース】木村インタビュー「待っている約束がある」B



◆この一曲がいいと思えた

今夏は、木村にとって新たなチャレンジの季節だ。1995年から続いたレギュラーラジオ番組『木村拓哉のWhat's UP SMAP!』が終了し、新番組『木村拓哉 Flow』として再スタートを切った。さらに番組と連動した動画サイト・GYAO!の配信『木村さ〜〜ん!』もスタートした。“一人看板”を掲げての心機一転だ。

――前番組の最終回では最後の一曲として『夜空ノムコウ』(SMAP)が流れました。あの選曲は木村さんが決めたのですか?

割と自然な流れで(スタッフの)みんなと一緒に決めました。あれこれとかけるよりも、この一曲がいいと思えたので。

――動画配信は木村さんにとって新たな試みです。

おかげさまで再生数は好調らしいんですけど、これまで自分は長年にわたって、本番でオッケーになったものを、編集というきれいにデコレーションを整える作業にかけてもらい、皆さんに「どうぞ」と届けてきたので、試行錯誤というか、まだ「本当にこれでいいの?」という感じですね。「これを配信すんの!?」という不安はハンパじゃない。

◆自分たちにできる支援とは

もう一つの取り組みは被災地支援だ。ジャニーズ事務所では6月末から7月に西日本を襲った豪雨災害を受けて「Johnny’s Smile Up ! Project」を発足。木村は8月4日と5日、長瀬智也、国分太一(共にTOKIO)、三宅健(V6)、生田斗真らと共に、広島県呉市と岡山県倉敷市を慰問した。

――このプロジェクトは、かねてから木村さんが希望していたものだったと聞いています。

はい。ただ覚悟は持ったうえで行かないと、実際に避難生活をされている方々、家を流されてしまったり、家族を失ったりした方々に半端な気持ちで会いたくないし、会ってはいけないですから。やるからには「まず自分が責任持ちます」という気持ちはあります。今回は声をかけたら斗真と健が、後から太一と長瀬が駆け付けてくれました。「ありがとうな」って声をかけたら、健が「いつでも声をかけてください。どこへでも馳せ参じます」とか言うから「時代劇かよ」なんてやりとりを交わしたりして。みんな一生懸命取り組んでいました。

――現地では避難所で炊き出しやお菓子の配布を行ったそうですが。

呉では「建ててまだ2週間だった自宅を流されちゃった」という方が、そのことを話しながら、僕の手渡したカレーを受け取ってくれて。そのすぐ後に、反対側の手を差し出して「握手、いいですか?」と笑顔でおっしゃったんです。こっちはそのギャップに驚くばかりでした。つらい経験をされた方が、ほんの一瞬でもカチッと気持ちが切り替わってくれるのを目にすると、瞬間的な寄り添い方かもしれないけれど、そこに自分たちのできることはあるのかなって。

――エンターテインメントそのものが支援の手段となる可能性もあるかもしれません。

今回、手渡せたのは作った料理と物資だったけど、例えばそこで自分のオリジナルソングを持参できていたら、それを手渡すことだってできたかもしれない。でも今の自分にはまだそれがない。次の機会があって、もしタイミングが伴えば、そういう可能性もあるかもしれません。そのためにも体調管理は重要。「どうぞ歌って」と言われた時に、声がちゃんと出ないなんていうのは、自分にとって一番悔しく、嫌なことなので。そこはきちんと準備をしておきたいですね。