1 陽花

【Yahoo!ニュース】木村インタビュー「待っている約束がある」C



◆楽しさや勢いだけじゃ進めない

――体のコンディションを保つために意識していることは?

毎日、体重計には乗っています。あとは前回の映画(『無限の住人』)の現場でケガをしたことがきっかけで、ジムで体を動かすようにもなりました。以前から入会はしていたものの、スタッフが全員入れ替わるぐらい通っていなかったんです(笑)。10代、20代はエンジンぶっ飛ばしっ放し、30代も全然オッケーだった。でも、最近は“車検”も必要になってきたし、自分でできることは自分で管理しなきゃと思い始めました。ここから先は楽しさや勢いだけじゃ進めないだろうから。

新しい試みや出会いの一方では別れも伴う。2016年には木村の初主演舞台『盲導犬』(1989年)を手掛けた演出家・蜷川幸雄がこの世を去った。「右も左も分からなかった自分に、人から拍手してもらえる厳しさと素晴らしさを教えてくれた」「(『盲導犬』を)経験していなかったら、自分はこの仕事を続けていなかった」(前述の終了したラジオ番組での発言)。木村にとって蜷川は恩人だった。

渋谷の劇場に舞台を観に行った時、久々にお会いしたら、俺のシャツの襟ぐりをぐわっと掴んで「俺がポシャるまでにもう一回やるぞ」とおっしゃった。「マジっすか。じゃあ、お願いしますよ」と答えましたが、結局、果たせませんでした。

――他にも果たせていない宿題はありますか?

ありますね。こないだのプロジェクトにしても、小学校のグラウンドに山のように積み上げられていた瓦礫を見ると、あれ自体がこれからの宿題のようにも思えてきます。エンターテインメントでも、宿題というか、「あれをもう一度やろうよ」と約束していることもあるし。

――それらに向けてのこれからでもある?

そうですね。いろいろと待っていますから。

木村拓哉(きむら・たくや)
1972年生まれ。東京都出身。91年、SMAPのメンバーとしてCDデビュー。数多くの人気ドラマ、映画で活躍。代表作にドラマ『ロングバケーション』『ビューティフルライフ』『HERO』『BG〜身辺警護人』、映画『武士の一分』『無限の住人』など。映画『検察側の罪人』は8月24日(金)から全国公開。

内田正樹(うちだ・まさき)
1971年生まれ。東京都出身。編集者、ライター。雑誌『SWITCH』編集長を経て、2011年からフリーランス。国内外のアーティストへのインタビューや、ファッションページのディレクション、コラム執筆などに携わる。


(18/8/19(土)Yahoo!ニュース)