1 陽花

『マスカレード・ホテル』大ヒット御礼潜入舞台挨拶

■木村拓哉、客席で映画鑑賞もバレず 観客の反応に「感謝しています」

 俳優の木村拓哉(46)が4日、都内で行われた映画『マスカレード・ホテル』大ヒット御礼潜入舞台あいさつに登壇した。作中ではホテルマンとして有名ホテルに潜入する刑事を演じた木村が、この日は本編上映開始から役柄さながら観客に紛れて鑑賞。上映後、スポットライトが客席後方にあたり木村が立ち上がると、周囲は全く気づかなかったのか、大きなどよめきが巻き起こり大混乱。ステージに上がった木村は「“潜入”させていただきました。おじゃましました!」とあいさつし、“潜入”は見事大成功となった。

 原作はシリーズ累計350万部を突破した『マスカレード』シリーズ(集英社)の第一作。都内の高級ホテル・コルテシア東京を舞台に、連続殺人事件を解決するためホテルに潜入するエリート刑事・新田浩介(木村)とホテルマン・山岸尚美(長澤まさみ)の異色バディが、宿泊客の“仮面(=マスカレード)”をかぶった犯人に立ち向かっていく。

 自身の作品を一般のお客さんと鑑賞するのは初めての経験だったという木村。司会から「バレなかったか?」と尋ねられ「非常に周囲の方には気をつけながら…」と苦笑しつつ「一番苦しかったのが、本編が終わりエンドロールが流れまして、客席に灯りが戻って『舞台あいさつがはじまる』というアナウンスがされている間、『今だ』という感じでたくさんの方がお手洗いに…。その方たちにも素性を明かすことができないので」とヒヤヒヤした瞬間も。

 完全に客席に紛れるために、自らスタッフに頼んで観客と同じパンフレットを買ってきてもらうといった工夫もしたそうで「パンフレットを読んでいるフリをして。スタッフの方は最初、『携帯を観てるのが自然』とおっしゃってたんですけど、見渡す限り携帯をいじってる人がいなくてパンフレットにしようと…」と周囲を観察して完全に観客化。「東宝の方が『ポップコーンは塩とキャラメルとミックスでどれがいいですか?』って。潜入する人間がポップコーン食べたらおかしいでしょって、全部やめたんですけど」と裏話で笑いを誘った。

 企画を聞いた当初は「正直、自分の作品を一般の方にまぎれて見るのはどういうことかと思った」と面食らったという木村。しかし「見終わったばかりの方たちって、こんなことをお話しするんだっていうのがサラウンドで聞こえてきて。(お客さんは)こういうところで楽しんでくださってるんだって。劇場に潜入しない限りは体感できなかった」と興奮気味に話し、「こういう場所でクスクス笑ってらっしゃるとか、ここで自然に拍手が起きるんだとか、経験しないとわからないので、今は感謝しています」と満足げ。

 「客席でこういう見方もできるんだなと思ったんですけど…、劇場内でお客様に僕らがサービスできるものは面白いものを作ることしかできないんだなって。スクリーンに映されているものって作り直すものではない。現場で監督の『よーいスタート』の積み重ねを見てもらう。その一つひとつを劇場でみなさんと見させてもらったから、自分たちができることは、全力で見てくれる人が楽しんでもらえるものを用意するしかないんだなと、もう一度考えさせられました」と噛み締めていた。

 3日までの公開17日間で動員207万人、興行収入26億円を突破。この日は観客からの質問タイムも設けられ、単刀直入に「続編ってありませんか?」と問われると会場からは拍手が起こった。同席した鈴木雅之監督と後ろを向いて“密談”した木村は「確かにそうですね。『マスカレード・イブ』『マスカレード・ナイト』3つ作品があって、お話自体は完結してませんよね…。今いただいた拍手や質問の内容を東宝さんにぶつけます」と約束していた。


(19/2/4(月)ORICON NEWS)