1 陽花

【リアルサウンド】慎吾『20200101』インタビュ(後編)B

ーーそうですね。

香取:そこまでは考えてなかったというか、楽曲を提供してもらって、メンバー全員の好みが完全に一致した形で歌うなんて、なかなかないじゃないですか。もちろん、そこからどんどん、好きな曲になっていくことはありましたけど。でも、こうやって自分で作る人たちは、最初から120点、200点満点の気持ちで完成させていかないと、それが全部自分に返ってくるものだったりもするわけで。だから、楽曲提供だけでやってきた自分たちと、こうやって自分で楽曲を作るアーティストの方たちは、全然違うものなんだなっていう。だからこそ今回、こうしてフィーチャリングという形で、みなさんの才能の上に乗っかることができて、ホントに良かったです(笑)。

ーー(笑)。今回のアルバム制作を通じて、香取さん自身の中で、音楽を作ることに対するモチベーションが上がったりもしたんじゃないですか?

香取:そうですね。一緒にやってみたい人は、まだまだいっぱいいるし、やっぱりやりたいことのひとつではありますよね。だけど、自分の中では、“満を持して”みたいな感じは、あんまりないんです。確かに、初めてのソロアルバムではあるし、「この感じで、もう一枚ぐらい、アルバム作れたりするかな?」って思ったりもするんですけど、今すぐじゃなくていいかなっていうか。こうしていいものができたんだから、また機会があれば、やりたいなあぐらいの感じで。そう、今はこの音楽で、やっぱりライブをやってみたいですよね。

ーーなるほど。そのあたりの情報も追い追い発表されるようですが、改めて最後、ファンの方々に、今回のアルバムに寄せたメッセージを。

香取:今回のアルバムは、最初に言ったように、自分自身、「音楽って楽しいものなんだな」っていうのを、改めて感じながら作ったアルバムで。僕の「音楽、好きだな」っていう気持ちがいっぱい詰まっていると思うので、聴いてもらう人にも「音楽っていいなあ」って感じてもらえたら嬉しいです。あと、今回参加してくれているアーティストの中には、僕よりも若いアーティストの方がいたりするので、そういう才能溢れる若い人たちのことを、みなさんにも知ってもらいたいなっていう思いもあって。だからホント、このアルバムタイトルじゃなでいですけど、“ワイワイ”ですかね。かしこまったものとか、カッコつけようとかっていうことよりも、ホントみんなとワイワイ楽しくやれたので、それをみなさんにも感じてもらえたらいいなって思っています。

(取材・文=麦倉正樹)


(20/1/1(水・祝)リアルサウンド)