1 陽花

いいとも、来年3月で終了A

■「笑っていいとも!」32年に幕!タモリ、生放送で電撃発表

 フジテレビ系バラエティー番組「笑っていいとも!」(月〜金曜・正午)が来年3月で終了することが22日、番組内で発表された。1982年10月4日から一貫してタレントのタモリ(68)が司会を務め、32年目を迎えた長寿番組。終了間際に登場したゲストの笑福亭鶴瓶(61)の問い掛けに答える形でタモリが終了を電撃報告した。6月に就任した亀山千広社長(57)の指揮で決断が下されたとみられる。

 電撃発表に誰もが耳を疑った。放送終了間際、ゲストの鶴瓶が「俺、聞いたんやけど、『いいとも』が終わるってホンマ?」と尋ねると、タモリは平然とした口調で「来年3月いっぱいで終了します」。スタジオ中が騒然となり、出演者は一様に困惑の表情を浮かべた。

 SMAP・中居正広(41)から「本当ですか? それは正式なことですか?」と詰め寄られたタモリは番組への思いを語り出した。「俺、30(歳)でこの世界にスルスルスルと横滑りして入って、6年後にこの番組が始まったんです」と振り返り、「『いいとも』で初めて芸能人として格好がついた。フジテレビは32年間、この番組を守ってくれたんだよ」と話した。

 この日の発表は、タモリやフジテレビ上層部を除いて、トップシークレット扱いで準備が進められ、出演者の多くはスタジオ入りしてから知らされたという。

 終了の理由や次の番組などは明らかにされていないが、「踊る大捜査線」シリーズなどでヒットを飛ばした亀山社長の決断とみられる。関係者によると、これまで視聴率の低下を理由に局内で番組終了を主張する声が出ても、長年「いいとも」の制作部門にいた社員が防波堤になって守ってきたが、6月の人事異動で現場を離れたことも影響しているようだ。

 別の関係者は「バラエティーとは畑違いのドラマ、映画部門でヒットを連発してきた亀山社長は、タモリさんとも接点が少なく、決断しやすかったようです」と明かす。「視聴率回復が大命題」と話す亀山社長が手腕を発揮し、独自色を打ち出した形だ。発表を演出したとみられる大多亮常務取締役編成局長(54)は「次の番組は決まってません。半年かけて準備していければ」と語った。

 2002年には通算放送回数が5000回を超え、「生放送単独司会世界最高記録」としてギネスブックに登録。「友達の輪」や「いいとも!」の掛け声は流行語にもなった。敬意を込めて「偉大なるマンネリ」とも言われた国民的人気番組。88年4月29日には歴代最高視聴率27・9%を記録し、22日放送分までの平均は11・5%。だが、ここ数年は1ケタ台と苦戦し、番組の歴史にピリオドを打つことになった。

 ◆「笑っていいとも!」 1980〜82年まで放送されていた「笑ってる場合ですよ!」の後番組として、82年10月4日にスタート。月〜金曜の正午から1時間、東京・新宿のスタジオアルタから生放送。同年10月24日からは、毎週日曜午前に、1週間の総集編にあたる「―増刊号」の放送が始まった。正式タイトルは、タモリの本名を冠した「森田一義アワー 笑っていいとも!」。毎回、ゲストを招いてタモリがトークをするコーナー「テレフォンショッキング」が人気。放送回数は22日現在で7947回。

(13/10/23(水)スポーツ報知)