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木村がテレ朝系ドラマで武蔵にB

■キムタク武蔵!「純粋で臆病」苦悩、悲しみ、孤独魅せる

 人気グループ「SMAP」の木村拓哉(41)が、テレビ朝日の開局55周年記念スペシャルドラマ「宮本武蔵」(来年3月、2夜連続放送)に主演することになった。テレビ朝日のドラマに出演するのは19年ぶりとなる木村は、江戸時代初期の剣豪として名をはせた宮本武蔵役に挑戦。剣道の経験者という特技を生かした、二刀流の華麗な殺陣シーンはもちろん、知られざる苦悩や葛藤を抱える、新たな武蔵像を作り上げる。

 生涯無敗と呼ばれた伝説の剣豪・宮本武蔵に木村が挑む。時代劇は盲目の剣士を演じた06年の映画「武士の一分」(山田洋次監督)以来8年ぶり。剣道の経験者として、番組などでたびたび披露してきた木村も「小さい頃から“刀を振る”という経験をしてきたので、宮本武蔵という存在はいやでも意識してしまう人物でした」とめぐり合わせを感じている。

 武蔵の生涯は、吉川英治氏の歴史小説をベースに、これまでも数々実写化されてきた。「二刀流」という独特のスタイルや、ライバル・佐々木小次郎との巌流島の戦い、京都・一乗寺下り松での70人斬りなど武士としての伝説がクローズアップされるが、今回の木村版・武蔵はひとりの男として、内面の繊細な苦悩が描かれるのが特徴だ。

 ヒットドラマ「アンフェア」などを手がけた佐藤嗣麻子さんが脚本を担当。強さの裏に潜む悲しみや孤独をせりふの行間に込めた。木村も「武蔵は純粋で、本当は臆病で…だからこそ自分の存在価値を“剣の道”にしか見いだせず、厳しい環境に身を置いていた人なのではないか」と分析。「武蔵に抱いていた謎をひとつひとつ解明していけることも楽しみ」と、役と対話していくつもりだ。

 木村にとってテレビ朝日のドラマは95年の「君は時のかなたへ」以来、実に19年ぶり。同局の横地郁英ゼネラルプロデューサーも「武蔵の、人間的で、奥行きのある魅力。今まで見たことがなかった宮本武蔵を、木村拓哉さんとともに作っていけたら」と期待を寄せた。撮影は今月京都でスタート。木村も20日に撮影入りし「僕もワンカット、ワンカット妥協のない『OK』をいただいて、最終的に自分の武蔵になれば」と思いを込めた。

 ◆ジャッキーの師匠がアクション監督 「日本一強い男」の立ち回りを再現するため、香港スターのジャッキー・チェンらの指導で知られる谷垣健治氏がアクション監督を担当。ワイヤアクションやCGを駆使した斬新な殺陣にも注目だ。ライバルの佐々木小次郎、ヒロインのお通らの配役は後日発表される。

 【過去に宮本武蔵を演じた俳優】
▼片岡千恵蔵 1930〜40年代の映画「宮本武蔵」シリーズは当たり役に。「千恵蔵と書いて武蔵と読む」など評判となった。
▼萬屋錦之介 中村錦之助時代の60年代、東映の「宮本武蔵」シリーズ全5本に主演。
▼緒形拳 山田風太郎の小説を映画化した81年「魔界転生」でSF風武蔵に挑戦。03年のリメーク版では長塚京三が演じた。
▼市川海老蔵 襲名前の市川新之助として03年のNHK大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」で主演。父の市川團十郎も75年のフジ系ドラマで武蔵役を演じている。

(13/12/26(木)スポーツ報知)