1 陽花

いいとも最終回でアルタ前1万人

■1万人超「タモさん」コール!!最後

 フジテレビ系「笑っていいとも!」が最終回を迎えた31日、スタジオのある東京・新宿アルタ前は約1万人が集結し、タモリフィーバーにわいた。司会のタモリ(68)は異例の徒歩で“出勤”。笑顔で手を振るなど、32年間の感謝を込めたささやかなファンサービスを行った。

 タモリは普段より20分ほど遅い午前10時50分、これまで裏口から出入りしていたアルタの正面入口に徒歩で登場。ファンは「32年間ありがとう!」と横断幕を掲げて歓迎し、「タモさーん」と絶叫。タモリは照れくさそうに笑顔を向け、手を振って楽屋入りした。

 フジテレビによると、アルタ周辺に集まったファンは靖国通りにも人があふれ、その数は1万人以上。最後の生放送は150の観客席に対し、通常の2、3割増しという1万通の応募が殺到し、当日受け付けた7席のキャンセルチケットを求めて328人が集まった。

 大フィーバーをよそに生放送中のタモリは、ひょうひょうとした口調で「32年間よく毎日ここに来ましたよ」。慣れ親しんだアルタとの別れを惜しむように、「楽屋の片付けが終わっていない。足もみ機や地図も全部、置いてある。明日か、あさって来て整理しないといけない」と話した。

 終了後は、最後のアルタでの時間を楽しんだ。関係者によると、午後1時から20分間、生放送に出演しなかったSMAPの草なぎ剛(39)も飛び入り参加し、観客を前にカメラを回さずに出演者とのトークを楽しんだ。

 観客が退出後、最終回に出演した月曜レギュラー陣、各曜日レギュラーの笑福亭鶴瓶(62)、関根勤(60)、爆笑問題の太田光(48)、SMAPの中居正広(41)、草なぎ、スタッフでささやかな“セレモニー”も行った。スタッフが最終回のあいさつを行い、全員で記念撮影した。

 生放送終了後のアルタ周辺は、混乱寸前。タモリを待つ人でごった返し、「通路をふさがないでください」と警備員が連呼した。

 タモリは32年間使った楽屋でくつろいだ後の午後2時32分、車でアルタを裏口から出発。車は窓が開いており、後部座席に座ったタモリはファンの声援に笑顔を見せ、左手を振った。ファンは車を走って追いかけ、空前絶後のタモリ大フィーバーとなった。

◆タモリ万感フィナーレ!“いいとも初共演”吉永小百合に赤面

 1982年10月にスタートしたフジテレビ系「笑っていいとも!」(月〜金曜正午)が31日、最終回を迎えた。同日夜の「笑っていいとも! グランドフィナーレ 感謝の超特大号」(後8・0)では司会のタモリ(68)が憧れる女優、吉永小百合(69)が32年の歴史で同番組に中継で初出演。明石家さんま(58)、ダウンタウン、とんねるずら新旧レギュラーなど約150人が大集合。胴上げもされたタモリは目頭を熱くして感謝。最後は「あしたも見てくれるかな!」と言って普段通り幕を下ろした。

 3時間14分の「グランドフィナーレ」にふさわしい笑いと涙の大団円だった。

 東京・台場の同局スタジオに集合した笑福亭鶴瓶(62)、関根勤(60)ら約150人の“いいともファミリー”を前に、タモリは最後のあいさつを行った。「視聴者の皆様がずっと見ていただいて私も変わりまして、なんとなくタレントとして形を成したっていうことがあります」とサングラス越しの目を潤ませながら感謝の思いを語った。今一番したいことを聞かれると、「早く酒飲みたいな」と語り、共演者を爆笑させた。

 常に自然体で謙虚なタモリだったからこそ、32年間のラストに最高の贈り物が待っていた。オープニング直後に、小百合との最初で最後の“いいとも共演”が実現した。

 プロデューサーも兼ねる主演映画「ふしぎな岬の物語」(10月11日公開)を撮影中の小百合は、ロケ先の千葉・南房総市から中継で出演。「本当にお疲れ様でした。最終回に何としても駆けつけて花束をお渡ししたいと思っていたんですけど、ごめんなさい」と声をかけた。続けて、「少しはお休みになれるんですか?」と優しい声で質問すると、タモリは「…はい」と少年のように赤面した。

 小百合と同じ早大第二文学部出身のタモリは熱烈なサユリスト。2人は82年の日本テレビ系「今夜は最高!」以来、32年ぶり2度目の共演。憧れの女優を前に「吉永さんが大スターでいらっしゃった時、私は普通の高校生。これを始めると、いつかつながるだろうと思って始めました」と名物コーナー「テレフォンショッキング」の誕生秘話を明かした。

 さらに小百合から伊ブランド、ボッテガ・ヴェネタの旅行かばんと直筆メッセージ入りの色紙を贈られ、大はしゃぎ。最後はタモリが「また私と食事に行ってくれるかな?」と呼びかけ、小百合が元気に「いいとも!」とこぶしをあげた。

 中盤は笑いの連続。タモリが胴上げされるシーンで大盛り上がりとなったが、番組後半は“卒業式”に。SMAPの中居正広(41)ら現レギュラー陣が涙ながらに感謝のスピーチ。最後にタモリも「ありがとうございます」と何度も頭を下げ、全員で番組テーマ曲「ウキウキWATCHING」を大合唱した。

 そしてラストのラストも昼の最終回同様に「また明日も見てくれるかな!」と32年間使った名セリフが炸裂。タモリらしいゆるい笑顔で“いいとも伝説”を永久不滅にした。


(14/4/1(火)サンスポ)