1 陽花

『HERO』が月9で復活A

■キムタクHEROが帰ってくる! 7月からフジ系「月9」で

 2001年にフジテレビ系で放送され、全話の視聴率が30%を超えるという民放連ドラ史上初の大記録を打ち立てた、SMAP木村拓哉(41)主演のドラマ「HERO」の続編が、7月から“月9”枠(月曜午後9時)で放送されることが決まった。事件現場に自ら出向き、調べなければ気が済まない型破りな検事・久利生(くりゅう)公平が、連ドラから13年ぶり、07年の劇場版からは7年ぶりに復活する。久利生に振り回される事務官は、“月9”3度目のヒロインとなる北川景子(27)。

 「お久しぶりです。2014年、再び城西支部に帰ってきました。よろしくお願いいたします」−。13年ぶりの連ドラ化に、木村は「久利生」と一心同体を思わせるコメントを寄せた。

 ドラマの舞台は、13年前と同じ東京地検城西支部。前作の最終回に沖縄・石垣島に転勤し、06年のスペシャルドラマでは札幌を経て山口に、07年の劇場版で城西支部に復帰するも、その後さらに地方を回っていた久利生が、三たび城西支部に着任するところから物語は始まる。

 ジーパン姿でとても検事には見えないが、誰よりも正義の心を宿している斬新なヒーロー・久利生と、彼を取り巻く個性的な検事、事務官たちが織りなす人間模様もドラマの大きな魅力。中でも重要なのが、久利生とペアを組む女性事務官だ。前作では松たか子が堅物の雨宮舞子を好演。今回は、凜(りん)としたたたずまいの美人なのに、言動の端々に粗野な部分がのぞく麻木千佳を北川が演じる。

 北川は「ヒロインというよりも、久利生さんの事務官としてサポートできたらと思っています。今回から参加した人が、プラスαの部分を担わなければいけないと思いますので、新しい風を吹かせられたら」と意気込んでいる。

 城西支部にもさまざまな変化が起きている。故・児玉清さんが演じていた鍋島次席検事が鬼籍に入り、部長だった牛丸検事(角野卓造)が次席に昇格。警備員だった井戸(正名僕蔵)は猛勉強の末、事務官に。新メンバーは出世欲が強い検事・田村(杉本哲太)、後任部長(松重豊)、紅一点の女性検事(吉田羊)、最年少検事(濱田岳)。

 一方、末次事務官(小日向文世)、遠藤事務官(八嶋智人)のおかしなコンビ、行きつけの店のマスター(田中要次)らおなじみの面々が「HERO」の世界観を支える。

◆民放ドラマ初の全話30%超え

 <これまでの「HERO」> 01年1月8日から3月19日まで全11話を放送。平均視聴率は34.3%。最高視聴率は第8話と最終回の36.8%。年間視聴率で紅白歌合戦・2部、同1部、日本が決勝に進出したサッカー・コンフェデ杯に次ぐ4位に食い込んだ。関東地区のみだが、初回から最終回まで全ての回が30%を超えたのは民放ドラマでは初めてで、いまだに破られていない。

 06年7月にスペシャルドラマが放送され、視聴率30.9%を記録。07年の劇場版「HERO」は興行収入約81億5000万円で、同年の邦画実写1位になった。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

(14/4/26(土)東京中日スポーツ)


■木村拓哉7月13年ぶり連ドラ「HERO」

 SMAP木村拓哉(41)が、7月スタートのフジテレビ系連続ドラマ「HERO」(月曜午後9時)に主演することが25日、分かった。01年に連続ドラマとして放送されて高視聴率を記録し、映画も大ヒットした作品で、13年ぶりの連続ドラマ化。共演者は大幅に入れ替わり、新たなメンバーによる群像劇が展開する。

 物語は木村演じる型破りな検事の久利生公平が、前回の連続ドラマの舞台になった東京地検城西支部に戻ってくることから始まる。松たか子、阿部寛、大塚寧々らが演じた同支部の個性的なメンバーは一新。久利生に振り回されながら成長する事務官を北川景子が演じるほか、浜田岳、杉本哲太、吉田羊、松重豊らが新しく共演に名を連ねる。同局は、共演者一新の理由を「異動や昇進など、あらたな人生を歩み出し、舞台となる城西支部から出てしまったため」としている。一部の元城西支部メンバーのその後も描かれる予定だ。

 「HERO」は、01年1月期に今回同様、同局の看板ドラマ枠「月9」として放送され、全11回の平均視聴率が34・3%だった。全回30%を超え、最終回は最高視聴率となる36・8%をたたき出す大ヒットとなった。06年のドラマスペシャルの平均視聴率も30・9%を記録。07年公開の劇場版は興行収入81・5億円で、同年の実写邦画1位の大ヒットとなった。13年ぶりの連ドラ化について、渡辺恒也プロデューサーは「フジテレビが作ってきたドラマの中でも『HERO』は特別な存在。55周年という節目の年に新たなスタートを切るためにも、視聴者の皆さんが楽しみに待ってくれるものをきちっとお届けしたい」と話している。収録は20日にスタートしており、2年ぶりの月9主演となる木村は「お久しぶりです。2014年再び城西支部に帰ってきました。よろしくお願いいたします」とコメント。古巣に戻り、気持ちも新たに取り組んでいる。

 同局は現在、視聴率争いで苦戦を強いられている。13年度視聴率は、全ての時間帯で日本テレビ、テレビ朝日に続く3位。年間視聴率トップを維持し続けていた時代もあったが、今は伸び悩んでいる。大ヒットドラマの続編に同局の寄せる期待は大きい。木村が“救世主”になれるか、注目される。

 ◆「HERO」 久利生(くりゅう)公平を中心に個性的な城西支部のメンバーの姿も描かれる群像劇。久利生の最終学歴は中学卒業で高校中退後、大検を経て司法試験に合格。通勤服はジーンズにダウンジャケット。現場主義で独特の視点と洞察力を持つ。事件の大小問わず、粘り強く捜査する。ドラマスペシャルは赴任先の山口地検が舞台となり、劇場版は韓国も舞台になった。今回は、劇場版以降の物語で、久利生は2カ所の異動後、再び城西支部へ戻ったという設定。

(14/4/26(土)日刊スポーツ)