1 陽花

SMAP、解散を発表J

続き→

◆SMAP 「紅白」が最後の花道か

 グループ存続を表明しながらも結局解散の道を選んだSMAP。大みそかまで活動は残っているものの、5人そろっての活動はフジテレビ系「SMAP×SMAP」のみ。メンバーによる会見の予定はなく、解散コンサート開催もないという。ラスト舞台は解散する12月31日のNHK「紅白歌合戦」が有力だが、メンバーの心がバラバラのまま大舞台に立つことができるのか。そして来年以降のそれぞれのソロ活動はどうなるのか−。

 記念すべきデビュー25周年イヤーをお祝いすることができないまま、国民的グループはファンを置き去りにして28年間の活動に幕を下ろすことになりそうだ。

 3月12日に福島県会津若松市から生中継されたNHK「震災から5年“明日へ”コンサート」に出演し、「オリジナル スマイル」を歌って以降、5人は公の場でパフォーマンスをしていない。7月16日のTBS系音楽特番「音楽の日」と、同18日のフジテレビ系「FNSうたの夏まつり」は「十分なパフォーマンスができない」として出演を辞退した。

 実は、5月にジャニー喜多川社長が「SMAPは解散しない」と明言したことで、所属事務所やレコード会社は記念シングルの発売やコンサートツアーに向けて動きだしていた。

 しかし、5人の歯車がかみ合わない状態で建設的な話し合いなど、どだい無理だった。事務所幹部によると、木村が積極的な活動を望む一方、香取は「嫌がったとか文句を言うというのはなかったが、虚脱感があった。『SMAPとしてやりきった、もうやることがない』という印象だった」という。

 解散コンサートも絶望的な状況で、花道を飾るとすれば解散日付となる大みそかの紅白歌合戦。同幹部は「事務所が説得して紅白に出るというよりも、25年間お世話になったことの意味を受けて本人たちがどうお答えするかということになる。ただ、事務所には最後まで『紅白に出ろ』と説得の努力をする責任がある」と語る。

 確かにSMAPはデビュー以来、01年と04年を除いて紅白に出場。6回の大トリも務めた功労者だ。しかし、選ぶのはあくまでもNHK側。選考基準のひとつである「今年の活躍」を照らせば、新曲リリースもコンサートツアーもしないSMAPは不利な状況ともいえる。

 フジテレビ系の冠番組「SMAP×SMAP」については今後、協議する。関係者は「テレビ局側は3月までやってほしいと考えるだろう」と推測するが、解散後に3カ月も特番でつなぐのにはあまりにも違和感がある。現状でも看板コーナー「ビストロSMAP」は観覧客を入れた公開収録を取りやめる状態が続いており、年内に打ち切られる可能性もある。

 そのほか草なぎが出演する「ぷっすま」(テレビ朝日系)や、香取の「SmaSTATION!!」(同)なども、番組名を変えて継続するか、今後協議することになりそうだ。

 また、SMAPが就任した2020年の東京パラリンピック応援サポーターについて、事務所幹部は「組織委員会や日本財団と協議した結果、基本的にはサポーター活動は終了させていただくことでご理解をいただいた」として、サポーターを降りる方向で調整が進んでいる。

◆どうなる今後のソロ活動 ファンクラブは解散

 来年9月まではメンバーそれぞれが契約の延長を決めたことで、グループ解散後はソロ活動が始まる。

 テレビドラマで「視聴率男」と呼ばれる木村は、俳優として今後も数々のドラマや映画に引っ張りだこになることが予想される。来年5月には10年ぶりの時代劇映画「無限の住人」(三池崇史監督)の公開が決まっている。歌唱力にも定評があり、ソロとして音楽活動も続ける可能性も高い。

 司会としての手腕が光る中居は現在、TBS系のリオ五輪番組でメインキャスターを務めており、今後もバラエティーや音楽番組、スポーツ中継などでさらなる活躍が期待される。

 稲垣は、主役から脇役までこなせるマルチな俳優として評価が上昇中。あらゆる舞台やドラマへの出演が見込まれる。

 草なぎと香取はプライベートでも親しく、バラエティーもしくは音楽の世界でタッグを組む可能性も。個人でレギュラーを務める番組もあり、俳優業もこなすマルチタレントとして才能を発揮しそうだ。

 ただ、SMAPの看板を外した形のソロは、“SMAPとしてのソロ”とは違い、それぞれの個性をどうアピールしていくかが問われる。

 一方、グループとしてのファンクラブは解散となり、個人のファンクラブをどういう形で作っていくか、今後、検討していくことになる。 (江川悠)

◆主なヒット曲

 SMAPは1991年9月発売のデビュー曲「Can’t Stop!!−LOVING−」から、昨年9月の「Otherside/愛が止まるまでは」まで、55枚のシングルをリリース。「オリコン」チャートの週間シングルランキングで、「デビューからの連続トップ10入り作品数」(55作)の歴代アーティスト1位記録を樹立している。

 昨年2月、54枚目シングル「華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ」で、シングル・アルバムの総売り上げ枚数が3500万枚を突破した。

 今年1月、ファンが解散を阻止するために最大のヒット曲「世界に一つだけの花」の購買運動を開始し、6月に累積売り上げ枚数が270万枚を超えた。

続く→