1 陽花

【トーチュウ】スマスマ最終回A

◆記者の目 かつてのキラキラした表情を見ると切なくなった

 国民的アイドルSMAPが26日、終わった。放送された「SMAP×SMAP」の最終回以降は、NHK紅白歌合戦も辞退し、記者会見もメッセージを発する予定もない。正式な解散日の31日を待たずしてSMAPは解散した。

 彼らがNHKに送った紅白辞退の手紙には、悩んだ末にラストステージは20年お世話になってきた「SMAP×SMAP」を選んだ、とある。だが、そんな思い入れが伝わるものではなかった。ゴールデンタイムの5時間枠という「器」は立派だが、中身は再放送。むしろ、昔の仲の良さ、キラキラした表情を見せられ、最近の痛々しさに切なくなった。「世界に一つだけの花」だけは新撮だったが、ファンが本当に見たかった、聞きたかった彼ら自身の言葉によるメッセージはなかった。SMAPの時計は、解散が発表された8月で止まっていたのかもしれない。

 どんなグループもいつか解散する。SMAPほどの功績があり、年齢も高ければ、ファンは寂しいながらも解散を許しただろう。今回は解散の仕方が悪かった。CD購買運動や署名活動が社会現象になったのは、何も発しない彼らに対し、気持ちの持っていきようがなかった人がそれだけ多かったということでは。

 本当に、こんな終わり方で良かったのか。時間はかかっても、彼ら自身がいつかこの不可解な解散劇に納得できる答えを出してほしい。(宮崎美紀子)

(16/12/27(火)東京中日スポーツ)