8 あぎ
全ては一本の電話から始まった。
「RAF SIMONS入荷したよ」
とうとうこの日がキタ。
俺はかねてから貯めていた70000円を財布に移しドアをあけた。
まだ昼というには早い日の光が目にしみた。
「RAF SIMONS入荷したよ」
とうとうこの日がキタ。
俺はかねてから貯めていた70000円を財布に移しドアをあけた。
まだ昼というには早い日の光が目にしみた。
(N901iS/FOMA)
9 あぎ
そのとき俺は昨夜きていたメールを思い出した。
山崎さんからの「マイプラ入荷したよ」
思い返す。
確かサンダルは6万弱、じゃあモルタル(熊谷)に寄っていってもおつりがくるじゃいか。
俺は運命の狂いに気付かず熊谷へ向かい地を蹴った。
山崎さんからの「マイプラ入荷したよ」
思い返す。
確かサンダルは6万弱、じゃあモルタル(熊谷)に寄っていってもおつりがくるじゃいか。
俺は運命の狂いに気付かず熊谷へ向かい地を蹴った。
(N901iS/FOMA)
11 あぎ
熊谷で無事買い物を済ませた俺はなれない手つきで大宮までの切符を買った。
実は熊谷から上り電車に乗るのは初めてだった。
何種類も電車がある。
俺はあまり時間が遅くなって完売になるのを恐れ特別快速を選んだ。
「快速」が「特別」なんて下手したら新幹線並みに早くつくのではないかと考えた。
ああ、よそうはだいたいあたったよ。
料金は新幹線並みだ。
実は熊谷から上り電車に乗るのは初めてだった。
何種類も電車がある。
俺はあまり時間が遅くなって完売になるのを恐れ特別快速を選んだ。
「快速」が「特別」なんて下手したら新幹線並みに早くつくのではないかと考えた。
ああ、よそうはだいたいあたったよ。
料金は新幹線並みだ。
(N901iS/FOMA)
12 あぎ
車内で初めて異変に気付いた。
「なにかがおかしい…」
俺は口のなかでつぶやいてみた。
そうだ、この電車はシートがホームライナー型(横に並んでるタイプ)なのだ。
にわかに不安が沸き立った。
「まさか…」
俺はゆっくり振り返った。
「グリーン車だと!!??」
俺は普通車両を探す旅にでた。
「なにかがおかしい…」
俺は口のなかでつぶやいてみた。
そうだ、この電車はシートがホームライナー型(横に並んでるタイプ)なのだ。
にわかに不安が沸き立った。
「まさか…」
俺はゆっくり振り返った。
「グリーン車だと!!??」
俺は普通車両を探す旅にでた。
(N901iS/FOMA)
13 あぎ
結論から述べると、旅は失意のうちに終わりを迎えた。
いや、はじめから成功など…普通車両などなかったのだ。
「特別」の意味がよくわかった。
俺はしかたなくグリーン車に腰を落ち着けることにした。
いや、落ち着くことなど不可能だった。
俺はグリーン車の乗車券を持っていない。つまり招かれざる客なのだ。
こうして車掌の影に怯える日々が始まった。
いや、はじめから成功など…普通車両などなかったのだ。
「特別」の意味がよくわかった。
俺はしかたなくグリーン車に腰を落ち着けることにした。
いや、落ち着くことなど不可能だった。
俺はグリーン車の乗車券を持っていない。つまり招かれざる客なのだ。
こうして車掌の影に怯える日々が始まった。
(N901iS/FOMA)
14 あぎ
しかしそうした追い立てられるような焦燥感をともにした隠遁はそうはつづかなかった。
実際、プロの車掌にとってまるで素人の俺を見つけるなど造作のないことなのだろう。
短くした黒髪の似合う車掌は、その健康そうな顔に笑顔をたたえつつ俺に話し掛けた。
「乗車券拝見いたします」
その微笑の裏には、確実に俺が乗車券など持っていないという底意地の悪い確信が見て取れた。
「くっ…」
俺はあくまで冷静を装った。
実際、プロの車掌にとってまるで素人の俺を見つけるなど造作のないことなのだろう。
短くした黒髪の似合う車掌は、その健康そうな顔に笑顔をたたえつつ俺に話し掛けた。
「乗車券拝見いたします」
その微笑の裏には、確実に俺が乗車券など持っていないという底意地の悪い確信が見て取れた。
「くっ…」
俺はあくまで冷静を装った。
(N901iS/FOMA)
15 あぎ
乗車券なぞ持ってはおらん!と俺は心のなかで啖呵をきった。
「乗車券持ってないんですが、購入できますか?」
口から出たのはこれだ。
「どちらまでご利用ですか?」
「池袋までお願いします」
違う!大宮で十分だ!また心のなかでさけんだ。
「1000円になります」
「ありがとう」
とっさに笑顔を作ったが心のなかでは高えよ馬鹿野郎!と毒づいていた。
「乗車券持ってないんですが、購入できますか?」
口から出たのはこれだ。
「どちらまでご利用ですか?」
「池袋までお願いします」
違う!大宮で十分だ!また心のなかでさけんだ。
「1000円になります」
「ありがとう」
とっさに笑顔を作ったが心のなかでは高えよ馬鹿野郎!と毒づいていた。
(N901iS/FOMA)