1 鈴木♂

銀八

TVの週間天気予報では今日と明日に雪だるまマークが付いておりましたので
どうなるのかちょっと心配だった鈴木♂ですが、今のところ小雪というかアラレ
がパラパラと降る程度の天候なので少しだけほっとしております。
鈴木♂は昨日も仕事だったのですが一人で仕事をしていると、ふと昔の事を
思い出しました。

それはたぶん私が小六か中一の頃の出来事だと思いますが、鈴木♂の同級生で
銀八(ぎんぱち)という名前の祖父を持つ男子生徒がおりました。
その頃は'70年代前半という日本の特撮ヒーロー物の黄金期で、TVでは
仮面ライダーやレインボーマンなどの特撮ヒーローが溢れていて、教室でも
その話題が男子生徒同士の会話には欠かせないという時代でした。

その生徒の祖父の名前が銀八だと分かったのは、何気ない日常の会話からだろう
と思うのですが、それをある生徒が「スゲーカッコイイじゃん!銀八って英語で
シルバーエイトじゃん!」と言い出した事がこのお話のきっかけでした。

それからクラスの男子生徒の間では「シルバーエイトってカッコイイよな」という
会話が飛び交い、それから数日後には何故か「シルバーエイトを見に行く」ツアー
が開催される事になりました (-_-;) 。
男子生徒有志が数名で、放課後に同級生の家の銀八という爺さんを見に行くだけ
というしょうもないツアーなのですが鈴木♂も何故かこれに参加しておりました。
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2 鈴木♂
彼の家は古い建築板金屋さん、つまりトタン屋さんなのですが、有志一行は
家に着くと全員でニヤニヤしながらシルバーエイトの登場を待ちました。
それからしばらくして現れた銀八さんは明治生まれの頑固そうな爺さんで
有志の中の一人が「ほほうこれがシルバーエイトか」と感心していたら、孫である
同級生が必死で「しーっ!しーっ!」と人差し指を口に当てておりました。
どうやら昔気質の職人さんだったらしいシルバーエイトはかなり怒りっぽい
爺さんみたいでした。

今から考えるとちょっと珍しい名前だというだけで、ツアーを組んで団体で
その家に見物に行くというのはかなり失礼な事なのではないかと思いますが
子供なのでそんな事は全然気にしなかったみたいです。
なお鈴木♂が見たシルバーエイトは当然の事ながら、必殺技を繰り出す訳でも
なく腰の曲がった頑固そうな爺さんでした。

鈴木♂という人は晩秋というか初冬になると何故か昔の事を思い出します。
今年も最早12月に入り、残す処あと僅かとなりました。新潟も雪の季節となり
日々寒さが増してきています。
皆様も師走の多忙な時期なのではないかと思いますが、お風邪など召されぬ様
に日々御自愛下さい。
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