1 鈴木♂

京の夢 大阪の夢

お正月なので「かるた」のお話でも書いてみます。

「いろはかるた」とは「いろはにほへと」で始まる皆様お馴染みの
江戸時代からある「かるた」なのですが、正確には大阪、京都、江戸、尾張と
各地方によって何種類ものバージョンが存在致します。

その一例を紹介しますと、例えば「い」の読み札では

   江戸:犬も歩けば棒に当る
   京都:一寸先は闇
   大阪:一を聞いて十を知る

という風に日本語の「い」から「ん」までを使って、その地方の地域性や
当時の人の思想や教訓を自由に盛り込んだ、一種の日本語の言葉遊びですね。

この「いろはかるた」の「ん」は当たり前の話なのですが、日本語で「ん」から
始まる単語や名詞が存在しないので、「ん」に対しては「京」を当てはめて
「いろはかるた」の最後の読み札としております。

例えば「江戸いろはかるた」では「京の夢 大阪の夢」、「京いろはかるた」では
「京にも田舎あり」となっております。
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2 鈴木♂
濡木痴夢男氏の著作「奇譚クラブの絵師たち」にSM雑誌「裏窓」'62年一月号に
掲載された「新春うらまど いろはかるた」という「SMいろはかるた」が
紹介されておりました。

この「いろはかるた」は「い」から「京」までの文字を頭文字に使った、
SMに関する短文とイラストで構成された計47枚の「SMいろはかるた」ですが
非常に面白いので、私としてもここに全文掲載したいのですが、「裏窓」を
発行していた久保書店(あまとりあ社)がまだ立派に御健在なので一部だけに
止めておきたいと思います (-_-;) 。

 「い」:色より好きなアブの道

 「ろ」:ロウ涙たれる ももの上

 「は」:はいっと奴隷がとんでくる

こんな風に非常に面白い「いろはかるた」なのですが、私が一番感心したのは
最後の読み札の「京」でした。

 「京」:きょうはS あすはM

この「かるた」を作った人はSMという世界に造詣の深い人だなぁと
感心しておりましたら、それもそのはず、美濃村晃氏が沢拳史・紫志野別という
二人分の別名義で発表した「かるた」なのでした。

なお 「う」:裏窓はすぐに買い という読み札には笑ってしまいましたけどね。
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3 鈴木♂
実際の話、結婚前まではS男性とM女性のカップルだったのに、結婚後は
S女性とM男性の夫婦となってしまった例や、SとMをその日の気分で
交代してプレイしているカップルなども数多く存在しております。
私の知るM女性の方でもSをやってみたいというM女性は数人おられます。

こんな風に私自身、SとMなんて一枚のトランプのカードの裏と表みたいな関係
で何時でもきっかけさえあれば、容易にひっくり返る物なのじゃないのかなと
思っております。

なお、私はS100%やM100%という人間は存在しないと思っています。
SM嗜好のある人間にはS性とM性が同時に存在していて、現在その性癖の
どちらかが多数を占めるのかによって、その人の現在のポジションを決定するのだと
私は考えています。
(PC)