1 鈴木♂

コンビニの怪

鈴木♂が職場から帰る時に毎日必ず立ち寄るというコンビニがありまして
それは田園地帯の田んぼの中を通る大きな国道沿いにあるコンビニなのですが
そのコンビニで鈴木♂はたまに不思議というかちょっと変な体験を致します。

鈴木♂の愛車はシートが独レカロ社のバケットシートなのでドアをかなり大きく
開けないと乗り降りできないというものですから、そのコンビニの大きな駐車場
でも車を停める時には割と端のほうに車を停めて、そこから20m位の距離を
店まで歩いて行く事にしています。

このお話は今から二、三年前の秋の事だったと思いますが、私が仕事を終えて
からいつも通りにそのコンビニに立ち寄る頃には日も暮れて辺りはすっかり暗く
なっておりました。
私はいつも通り車を駐車場の端に停めてそこから店まで歩いて行ったのですが
その途中でふと店内を見ると10〜20人位のお客さんが店内に居るのが見えて
「今日は混んでるなぁ」と私は何気なく思いました。
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2 鈴木♂
そして私はドアを開けて店の中に入ったのですが、店の中はガランとしていて
お客さんは二、三人しかいなかったのです。
私はちょっと驚いて思わず店内を見渡したのですがお客さんはやはり二、三人
しか居ませんでした。
私は不思議な気持ちのまま買い物を済ませ、そして帰宅したのですが
後からよく考えてみると、外から店内を見た時には確かに大勢のお客さんの
姿が見えたのですが、その人たちはみんなじっとしていたというか動いては
いなかった様に思えました。
あれが私の目の単なる錯覚なのか、それとも本当にそういうものを見たのか
今となっては分かりませんが、昔の人だったらこういった現象の事を
「狐か狸に化かされた」というのではないのかと鈴木♂は思います。

松谷みよ子さんの「現代民話考」という本には昭和の時代に入ってから現代に
到るまで起こった民話の世界の様な不思議なお話が数々と記されておりますが
鈴木♂が体験したこのお話もそんなお話の一つなのかもしれませんね。
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