1 鈴木♂

意思の疎通

日が暮れるのも早くなってきて稲刈りも始まった初秋の新潟県内なのですが
このサイトを御覧の皆様方も如何お過ごしの事でしょうか?。

鈴木♂の地元にある海水浴場は今夏、過去最高の人出だったそうなのですが
これはたぶん震災も落ち着いてきてやっと遊びに行ける余裕も出てきたけど
太平洋は怖いから日本海側にしようという動きが加速したんじゃないかと思います。

東電が8月に調査したときに福島沖のアイナメから25000べクレル/kgのセシウムが
検出されてTVや新聞でも取り上げられましたが、7月に厚労省が行った調査では
福島沖のアイナメから4億べクレル/kgのセシウムが検出されたという事は何故か
報道されませんでした。
こんな状況がこれからもずっと続くんでしょうね。
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2 鈴木♂
田舎に行くとたまに「死後裁きにあう」とか「神と和解せよ」というキリスト
看板がありますが神という字はネと申に分解できる訳でして、それを利用して
申の所を一部黒マジックで消し、神という字をネコに改造して「ネコの国は近い」とか
「ネコと和解せよ」と遊んでいる人たちもいますが今回のお話はネコではなく
鈴木♂はネズミと和解できたのかというお話です。

先週の金曜日に鈴木♂の職場の棚の下辺りから小鳥のさえずりのような「ピッピッ」
というか「チッチッ」という鳴き声が聞こえ始めました。
虫ではないみたいだし何だろう?と思っていたのですが、次の日に来てみると
鈴木♂のイスの下に4cmくらいのピンク色の塊が4個うごめいておりました。
どうも棚の下でネズミが子供を産んでその子ネズミたちが這い出してきたみたいです。

害獣ですからその場で巣を急襲して親子共々皆殺しにしてもおかしくはないのですが
ここで子供を産むというのも何かの縁だろうという事でその子ネズミたちをフタの
無いプラ製の小さな箱に入れ棚の下に置きました。
次の日の日曜日に職場に行ってみると子ネズミたちは全部親ネズミに回収された
らしく一匹も箱には残っておりませんでした。
しかしネズミが職場にいては衛生的にも良くないし、コードとか齧られて漏電でも
起こされたら大変なので何とかしなければいけないと思った鈴木♂はそれから
コメリに行ってネズミ駆除の薬を買うことにしました。
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3 鈴木♂
しかし殺鼠剤は鈴木♂の予想以上に高価だったという事もあって代わりにハーブの
匂いでネズミを寄せ付けないという薬剤というか芳香剤を買う事にしました。
そして次の日の月曜日に職場に行ってその芳香剤をネズミの巣がある辺りに設置した
のですがその匂いはかなりきついもので近寄ると目がヒリヒリするという位のものでした。

その次の火曜日に職場に行ってみるとまだ鳴き声は聞こえるし、鈴木♂のイスの下には
また子ネズミが一匹だけうごめいています。
そして鈴木♂は仕方なくその子ネズミを拾ってまた箱に入れ棚の下辺りに置きました。

あの芳香剤じゃネズミ親子は出て行かないのかなと思った鈴木♂は仕事の帰りに
ドラッグストアに行き、今度は粘着式のネズミ取りを買う事にしました。
そして次の日の水曜日に職場に行ってみると箱の中の子ネズミはやっぱり親ネズミに
回収されたらしく箱の中は空でしたが、前日と違うことは子ネズミの鳴き声が
全く聞こえなくなっていたという事でした。
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4 鈴木♂
やっと出て行ったのかと思った鈴木♂はそれから棚の下を掃除してゴミや埃と共に
巣(破れたビニール)や芳香剤を片付けたのですが子ネズミを殺さずに親ネズミに
返したという事とネズミ除けの芳香剤を設置したという事実から「お前ら一家を
今の処は殺さないが迷惑だから出て行ってくれ」という意思の疎通が鈴木♂と
親ネズミとの間にできたのかどうかは不明です。

動物って人間が考える以上に頭が良くて、中でも賢いとされるカラスなんて
ゴミの日に生ゴミを荒らして辺り一面に散乱させるという事がよくありますが、
あれって本当は自分が生ゴミを食べるという意味の他にゴミを散乱させる事によって
ネズミをおびき出し、それを捕獲するという意味もあるんだそうです。
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