30 しす
>>28
中国の大衆小説におけるお約束みたいのがあって、謀臣=弱々しいというイメージが出来上がっているんじゃないかという気がします。
『三国志演義』に限らず『水滸伝』『封神演義』などでも主要キャラは「知略」に長けているか「武勇」に長けているかで二極化され、連環画などでも両者一目瞭然になるように描き分けられています。
(知略型の武将が甲冑を身に纏って描かれることは少なく、身につけていても明らかに軽装だったりします)
陳宮も連環画を見る限りでは知略型のキャラとして認識されていることが解ります。
確かに演義の陳宮は曹操とたった二人で呂伯奢一族殺害したり、曹操を弓で狙って従者を射殺したりと猛々しい面も見せてはいますが、やはり呂布軍のブレインという印象が強いですよね。

現代のゲームやコミックなどにおける三国志のビジュアル的イメージというのはかなり連環画の影響を受けていることは間違いありませんから、文字だけでは解らない固定イメージというのが出来上がっちゃっているのではないでしょうか。
面白いのは横山『三国志』の陳宮は決して弱々しいイメージでは描かれてはいません。
横山氏は「当時は資料がなくて描くのに困った」と連載当初のことをインタビューで語っていましたので、逆に既存のイメージに左右されない陳宮像が出来上がったのかもしれません。
余談ですけど横山氏がこの連環画の影響を受けはじめたのは連載が中断し結局コミックでは描かれなかった官渡後のことと思われ、この頃から絵柄にも影響が顕著に見え始めています。
(PC)