78 赤龍
ちくま訳では>>71の「乃ち整斉するのみ」を反董卓軍との戦いの沈静化ととらえ、石井氏は軍の秩序の乱れの引き締めととらえたわけですよね。

ちくま訳では、直前の胡軫のせっかちな性格「性急」にうまくつながるように感じます。
胡軫の言葉に「諸将聞きて、これを悪む」がうまくとれないようにも思えますが、単純さ、あるいは大言壮語あたりが反感を買ったのでしょうか?

一方石井氏訳では、諸将の反感にはうまくつながりますが、部下の将校都督の数が多いというだけで、軍内の乱れなどは特に書かれておらず、唐突な発言の印象をうけます。以下に続く文には胡軫軍が内部の乱れから崩壊する様が書かれますが、これは胡軫の宣言による反感の後のこと。全く逆の問題が生じたわけです。

というようなわけで、私はどちらかといえばちくま訳の方が素直な解釈で、石井氏の解釈は無理に自分の専門分野に結び付けてしまった印象を受けます。あくまで私個人の印象で、自信はありませんが。

以上長々とすみません。
(PC)