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剛が大杉漣最後の主演作『教誨師』にコメント

■草なぎ剛「初めてかも知れない」大杉漣さんに思い馳せる<教誨師>

俳優の大杉漣さん(享年66)がエグゼクティブプロデューサーと主演を務めた映画「教誨師」(きょうかいし)が10月6日に公開されるにあたって、草なぎ剛、天海祐希、黒沢清監督がコメントした。

大杉さんの最初のプロデュース作にして、最後の主演作となった同作。受刑者に対して道徳心の育成、心の救済につとめ、彼らが改心出来るように導く“教誨師”を描写。

死刑囚専門の教誨師の牧師・佐伯(大杉さん)は、彼らに寄り添いながらも、自分の言葉が本当に届いているのか、死刑囚たちが心安らかに死ねるように導くのは正しいことなのか苦悩しながら、自分自身もまた過去と対峙し、人生に向き合うことになる。

以下、草なぎ、天海、黒沢監督のコメント

◆草なぎ剛コメント

映画『教誨師』を見た夜、僕は珍しくなかなか寝付けませんでした。

“生”と“死” 誰にでも共通して存在する事。

それはとてもシンプルな事なのに、何で人はうまく生きられないのか?

いつの間にか、僕も、薄暗い小さな面会室の中に入って、死刑囚の方と一緒に、目の前の漣さんの話を聞いているかの様でした。

こんなにも映画と、僕自身の距離が近く感じたのは初めてかも知れない。

きっと、それは漣さんの心と牧師、佐伯保の心が重なり、本当の教誨師になっていたからだと思います。

300の顔をもつ男、“大杉漣”さんの顔がまた一つ、これからも増えましたね。

ありがとう、漣さん。

◆天海祐希コメント

漣さんの、優しくも鋭い矢で心の真ん中を射られた気がした。

真っ直ぐ、誠実な瞳で漣さんが見ていた事、そして伝えたかった事が今、ここに残っている。

もう一度、漣さんに触れられた様な、そんな気がした。

◆黒沢清コメント

日本映画の俳優はつくづく層が厚いなあと思った。

凛とした俳優、いかにも何気ない俳優、得体のしれない俳優、見ていてほっとなる俳優。そして、それらの頂点に大杉漣がいる。


(18/10/4(木)モデルプレス)