彩 愛 美 詩歌集

過去ログ193 2014/11/26 23:48

▼彩 愛 美
終楽旅行


定員割れした 最後のバスツアーで
座席だって 疎らなのに
二人離れて 座って居るのね

もう二度と二人は 隣り合わせの席には
座って笑顔で話す 事も無いのでしょうか

目の前を流れる グレーの景色
何を見ても 頭に入らない
想い出作りの 最後の旅行
何を残せる 訳でも無くて


時季外れじゃ 面白いハズも無い
旬ズレの 食事なんて
そこらのレストランと 変わらない

二人きりになるのが 恐いだけの旅行
モトサヤなど有り得ない 事示すかのように

目線は流れて 交わる事も無い
何処の誰かも 解らない程
想いはチグハグ 最後の旅行
何を求めても 掴めない


接続詞を失くした 別々の単語
二つの言葉には 何の繋がりも無いと言うのね


お手軽な格安の ツアーのように
何処に居ても スカスカの心
これで楽しみも 最後の旅行
何が楽しい 訳でも無くて…







2014/11/26 23:48
HP

▼彩 愛 美
ムダなダム
現実問題として
どうだっていい事
『コウキョウジギョウ』とやらが
地方財政なんたらを
潤すらしいのだが
実のところ
利害関係のデキレース
住民には何の関わりも無い
ただただ迷惑なだけの
ムダ話だったりもする

実際問題として
循環する水が停まり
腐葉土も運ばれずに
海は死に
環境汚染のために
膨大な税金を注ぎ込み
住み家を剥ぎ取ってまで
建造する意味が
何処にあるのだろう

上から読んでも
下から読んでも
『ムダなダム』
切っても切れない
愚かな癒着の糸に
呪いのように束縛されて
本当に大切な事が
まるで見えなくなる
何時起きるか解らない
未知の大洪水のために
機能するかも解らない
形だけの『ムダなダム』


2014/11/24 23:30
HP

▼彩 愛 美
留守番電話


留守番電話が
一人淋しく 座っていた
待てども 暮らせども
届かない あなたからの言葉

元々豆な人じゃ ない事と
解っていたとは言え それでもせめて
あなたの言葉が 聴きたかった

留守番電話が
薄暗い部屋の中で 泣いていた


繋がるコードの先
まるであなたを 感じられない
カチンと 凍り付く
ベルの鳴らない 電話が一つ

何時までも信じ続ける 事なんて
出来はしないものと 伝えたくなる
あなたの想いが 聴きたくなる

繋がるコードの先
埃にまみれた 電話が一つ


あなたの声が聴きたい どんな言葉だっていい
元気なんだって 無事なんだって 解ればいい
ただそれだけの 想いを重ねて来た


留守番電話が
ほの暗い部屋の中で 待っていた






2014/11/19 23:35
HP

▼彩 愛 美
心 音

生きている
音がする
体中に
血を送り出す
それだけじゃない

思考の中の
喜怒哀楽の変化で
リズムが
違って来る
感情までも
体の細部にまで
運んでいる
そんな音がする

どんなに上手く
嘘を吐いてみても
騙し通せない
真実の音がする
心のままに
音が示す事実は
体の中の
何処を取ってみても
確かな自分を
伝えてくれるのだろう

この音が
完全に停まるまで
生き続ける
自分から
消すなんて事は
出来ないから


2014/11/17 0:28
HP

▼彩 愛 美
リ ベ ロ


ねぇ 約束だとか 運命だとか
どうしてそんなに 出逢いに意味を求めるの
何でもかんでも型に 嵌め込まないで

そんな風に 重苦しいものじゃなくて
もっと気楽な想いで あなたに逢いたい

友達だっていい 恋人だっていい
その時折の シチュエーション次第で
フィールドを 駆け廻りたい


まだ 確定的な 位置付けなんか
特性も解らないのに 意味なんて無いわ
それが優柔不断でも 構わないの

狭い視野で それ以上無い選択肢
もっと世界は 広くて私を待っている

一番身近な ポジション選び
落ち着き払い 安心なんてしたくは無い
小さく 纏まりたくは無い


恋と愛とは 全く違うものなのよ
あまりに簡単過ぎに 手に入れた恋なんて
同じように簡単に 手放してしまうものよ


イレギュラーでいい リベロな方がいい
その時々で 自由に動き廻っていればいい
束縛など されたくは無い





2014/11/13 0:03
HP

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