彩 愛 美 詩歌集

過去ログ195 2015/1/14 22:03

▼彩 愛 美
Stop Motion


ぼんやりと 外を眺めていた
何を見ると 言う訳でも無くて
ただ時間の 流れの中で
自分だけが 停まったまま

終わった恋 戻れない恋
今更何をしても 手遅れな事くらい
誰に言われるまでも無く 解っていた

もうそろそろ 眠りたくなって来たわ
誰かお願いよ スイッチを消して…


壊れた リモコンの電波が
届かないままに 通り過ぎて行く
直ぐそこにある 画面の中で
違う場面 演じたまま

変わらないで… 居続ける事
そうそう出来るなんて 奇跡に近い夢
誰も同じ場所に 停まっては居ない

また私一人だけが 忘れられて
何時も通りだと 苦笑い浮かべ…


季節毎に風は 移り変わるもの…
吹き溜まりの中で 同じ場所を何度も
抜け出せずに 廻り続けている…


ねぇこのまま眠りから 覚めなければ
違う幸せを 見付けられるのかな…




2015/1/14 22:03
HP

▼彩 愛 美
消雪 書雪
この一年間に
心の中に積み上げて来た
ガラクタみたいな想い出
みんなまとめて雪の下に
楽しかった事も
苦しかった事も
淋しかった事も
哀しかった事も
全部消してしまえ

何もかも忘れてしまえるのなら
これ程楽な事は無い
それが出来ないから
ずっと苦しくて
きっと嬉しくて

この一年間を
どうやって生きるのか
真っ白くなった心の頁
想い付くだけ全部
書き記してみよう
本当にやりたかった事
今まで出来なかった事
この長い休暇中に
考えてみるのもいいだろう

自問自答して
改めて自分を探して
組織の中での自分
個人としての自分
どれだけ本当の自分を
真っ白いキャンバスの上に
描く事が出来るのだろう
そんな想いさえ掻き消すように
ただ真っ白い雪が降り積もるだけ


2015/1/11 22:25
HP

▼彩 愛 美
月 の 鏡


頬杖 視線をズラして 空の彼方
視点の定まらない ボンヤリ顔で
何を見て 何を想うのやら

言葉巧みに 言い負かされて
ボロボロになった心に 追い風が吹く

月鏡に映る光の刃が 私を苦しめる
愛の絆を悉く 切り裂いてしまう
もうこれ以上 立ち直れない程に
夜明けが来ない事も 告げていた


灯りも点けずに 窓際 風を受けて
髪の芯まで 凍えてしまう程に
空の星 天の月 青白く

光失う 瞬間の輝き
もう二度と逢う事も無い 星に還るの

月鏡の放つ光の鏃が 私を貫いて
恋の終わりをくどくどと 説き示して行く
月闇の光 届くはずも無いまま
夜から逃げられないと 告げていた


割れた鏡片には たくさんの私が映り込む
その全てが私で 全てが違う私だった


月鏡が欠けて光の雫が 私から滴り
愛の舞台を降ろされて 置き去りにされる
痩せ細る空の果てで 消えて行く
夜道に迷う心 引き摺って
もう止めましょうよと 告げていた





2014/12/24 23:36
HP

▼彩 愛 美
夢酔い人

ずっと
現実世界から
離れて居た
そんな 気がしてた

バーチャルな世界で
生きて来た 気がする

どちら共 本当の自分で
どちらが 欠け落ちても
自分では 居られなくなる
このまま キープ出来れば
最高だと 感じて居られる

最近になってから
毎日の生活の全てが
次第に現実世界から遠退き
ずっと夢の世界に居続けて
なかなか戻れなくなって来た

まるでお酒を飲むように
ずっと夢に酔って居て
どちらがどれだけ
本当の現実世界なのか
解らなくなってしまう

夢が何時か覚めるとしても
今はまだ覚めない夢の中で
このままずっと酔い続けて
生き続けて居たいと願った


2014/12/22 23:48
HP

▼彩 愛 美
脱力恋戯


彼女がしきりに 髪を掻き上げる
しなやかで 傷一つ無い綺麗な指
ごつごつとして節太な 私のとは大違いね
何時も何かしら 傷だらけの指

無い物ねだりをしても しょうがないけど
私には無い物ばかりを 持っている彼女
誰の目にも勝負は はっきりしていた

意地ばかり張って 意地気ていても仕方無い
もうこの恋の結末も 見えて来たのに


何事もがさつで 粗野な男勝りなら
細かい所までは 気付けないものね
癒しだとか 一番縁遠い所に身を置いて
恋人よりも 悪友みたいだった

ミステリアスな魅力など 欠片も無い
いいも悪いも何もかも 知り尽くしている仲
今更確かめ合う 必要も無い

愛せても恋せない なんて言われたなら
もうこの恋の進むべき 道なんて無い


ただ脱力感だけが 残された心に
頭打ちして 行き場を失くした恋慕情
ただ悪印象を刻むだけの これからの恋


空気の抜けたタイヤで 何処まで走れるの
もうこの恋の先行きを 探せはしない





2014/12/17 23:22
HP

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