彩 愛 美 詩歌集

過去ログ214 2016/2/3 23:05

▼彩 愛 美
そこにある普通の幸せ

人と同じ事が嫌いで 新しい事が好きだった
そんな彼女が ごく平凡な結婚に幸せを求めた

お金持ちだとか イケメンだとか
特別何かが 際立つ訳でも無くて
何処にでも居るような 平均的な
在り来たりの 人でしかなかった

一番幸せから遠いと 想っていた彼女が
一番始めに幸せを 捕まえていた


招待をされたみんなが 大声を上げて驚いた
派手な彼女の見る影も無く 清楚に纏められた出で立ち

まるで別人の 席に呼ばれて
しっくりと来ない 違和感は隠せなくて
何だかそわそわして 落ち着かない
そこに居る想いに なれなかった

映画や小説の場面を 第三者で見ている
現実離れした 式次第は流れて行く


まだ何か悪い夢を 見ているような
信じられない彼女の 変身振りに
彼女の友達はみんな 呆気に取られていた


本当はみんなだってちゃんと 解っていた幸せを
一番始めに彼女が 捕まえていた




2016/2/3 23:05
HP

▼彩 愛 美
雨にならない 曇りの日

気持ちが
一歩だって
前には進めない日
頭の上を低く
曇天の空が迫っていて
太陽だって
見えやしない

どちらに転ぶのか
解らないまま
境界線の上を
ずっと歩いている
世界は混沌としていて
このまま
雨に沈むのか
晴れて行くのか
先読みも出来ず
歩き出すのを
躊躇している

いっそ雨ならば
はっきりと諦めだって
付けられるもの
荷物になる傘だって
持って行ける

晴れてくれれば
何も気にしないで
身軽に心から
楽しんで来られる

こんな中間の天気が
こんな中間の世界が
僕の歩く未来を
迷わせていた


2016/1/31 23:09
HP

▼彩 愛 美
Paper Drive Lover

signal signが 黄色く変わって行く
ここでブレーキを 踏むのか
このままアクセルを 踏むのかを
迷っている内に 途中で赤に変わってしまう

優柔不断な恋は 何時も未確定で
最終ステージに 辿り着く前に
低いレベルのままで game over になる

何時もが通行可能な 青ばかりじゃない
隣で指示を出してくれる 教官も居なくて
恋のハンドルをまだ 一人では握れない


zebra zone の真ん中で 停まったまま
前にも後ろにも 動けず
ただ邪魔な存在に されて行く
あからさまに痛い視線を 私に投げ付ける

中途半端な想いじゃ 飛び込めなくて
最後までピッタリと 付いては行けない
直ぐにはぐれてしまい 迷子になる

何処かで手を引いてくれる 事を期待して
甘えて自分から一歩を 踏み出したりはしない
恋の道筋を決める 事も出来なくて


小さく纏められた教習所の 限られたコース
迷う事も無い護られた中でしか 走れないのね


広くて大きな流れに 合流出来ない
ランプで動けずもたついて 立ち停まっている間に
恋の更新を忘れて 行き場を失くした



2016/1/27 21:14
HP

▼彩 愛 美
仮面夫婦

男装の 麗人と
女装の 紳士が
出逢う 舞踏会
きっと 人は皆
誰にも 言えぬ
素顔を 隠して
生活を 続ける

同じ 空間の中
ずっと 過ごし
互いを 熟知し
知った はずで
何も 知らない
本当の 事など

奇妙に 出逢い
上辺の 顔して
付き合い 続け
気が 付いたら
偽夫婦 として
暮らし 始めて
そして 互いに
束縛を 重ねて
相手の 秘密を
一つ 残らずに
知りたい って
仮面の ままで
責め立て 競う

でもね 秘密は
多少 ある方が
上手く 愛せる
かも 知れない


2016/1/25 23:11
HP

▼彩 愛 美
私が私であるために

私にしてみれば 女性特権を棄ててまで
男女同権なんて 要らないわ
5時きっかりに 仕事を終えたいし
生理休暇だって ちゃんと取りたいわ

女の子は男の子が想うより ずっと忙しくて
やりたい事だって たくさんあるのよ

朝から晩まで 一日中仕事していれば
もうそれだけで 許されるみたいな
生き方なんて 出来ないものよ


女の子の『きれい』は 長くは続いてくれなくて
それなりのケアだって 必要だわ
お風呂だって 睡眠時間だって
『きれい』を維持するのは 簡単じゃないわ

誰かのために誰より きれいで居たいと想う瞬間
たくさん重ねて やっと女になる

女の子と男の子は 別の生き物なの
同じラインで 考えられないわ
その事に 気付いただけなのよ


デートで割勘なんて 絶対考えられない
形だけの男女同権に 拘ってまで
女の子である自分を 棄てたくはないわ


私が私であるために 今必要な事
その本当の意味を 考えている
誰かに 決め付けられたくない
誰かに 与えられたりしないで



2016/1/22 0:02
HP

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