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森がオートレース中に落車で骨盤骨折

■元SMAP森且行がオートレース中に落車で骨盤骨折 ベッドで「痛い、痛い」全治は不明

 元SMAPのメンバーでオートレース選手の森且行(46)が24日、福岡・飯塚オートのレース中に接触事故で落車し、骨盤骨折の重傷を負ったことが25日、明らかになった。開催を統括する「公益財団法人・JKA」によると、現時点で森の全治やレース復帰については未定という。森は昨年11月、自身初のSGタイトル(競馬のG1に相当)を制し、話題となった。

 悲願のSG初制覇から2か月半、森がアクシデントに見舞われた。

 24日、飯塚オートレース場で開催された「開設64周年記念レース」の第11R。大外から2番目、7号車の森はスタートダッシュがきまらず、最初のコーナーでは最下位8番手に。コーナーを抜け、直線に差しかかり、7番手に浮上し、さらにスピードを上げた瞬間だった。前を走る選手が体勢を崩し、外側へよれた。すぐ後方外側を時速100キロ以上の速さで走っていた森は、よけきれず接触。大きくコースを外れ、外側のフェンス方向にはじき飛ばされるように落車した。スタートからわずか10秒後の出来事だった。

 コース上に投げ出された森は、自力で立ち上がることができず、その場でうずくまったまま。レース場内の医務室へ担架にのせられて運ばれた。レース後、救急車で福岡県内の病院に搬送されたが、骨盤骨折などの重傷と診断された。全治は不明。

 関係者によると、森は救急車に乗り込む際、「痛いけど、心配しないで」と容体を気にして集まった選手たちに気丈に答えて病院に向かったという。介添えした選手は「ベッドの上でつなぎを脱がせる時に“痛い、痛い”とかなりつらそうでした。意識はしっかりしていました。復帰までにはしばらくかかってしまうかもしれません」と話した。

 オートレースはブレーキのないバイクを操り、最高時速が150キロに達するといわれる競技。出場選手たちは頑強な防具を着用して激闘に挑んでいるが、頻発するレース中の落車アクシデントによる骨折などで長期欠場を余儀なくされる例は少なくない。

 森は昨年11月3日、「日本選手権オートレース」優勝戦でデビュー24年目にして、念願の自身初となる最高峰格付けのSG大会を制覇した。そのレースでも、森の前で激しい優勝争いを展開していた2人のレーサーが接触事故を起こしてともに落車。3番手を走行していた森が、そのまま先頭に立ち、快挙を達成した。レース中の負傷で殉職する事例もある。生死のはざまで栄光を目指す競技に己の命をささげて死闘を繰り広げ続けてきた森。復帰時期などは明らかにされていない。

 ◆森 且行(もり・かつゆき)1974年2月19日生まれ、東京都出身、46歳。1997年6月27日に川口所属、25期生として登録される。通算勝利は682回、32V。昨年11月の日本選手権では史上最年長でのSG初優勝。G12勝、G23勝、177センチ、59キロ。血液型B。愛称はモリクン。

◇佐藤摩弥「必ず復帰してくれると信じています」

 ○…女子レーサーとして、男子選手たちを相手にトップ級の活躍を披露し、公私で親交の深い佐藤摩弥(28)も同開催に出場。敬愛する森のアクシデントを目の前で目撃していた。「事故の後、直接お話しする機会はありませんでしたが、ヘルメットはほぼ無傷の状態だったことにホッとしています。復帰の時期はわかりませんが、完治して必ず復帰してくれると信じています」と話した。


(21/1/26(火)スポーツ報知)