1 陽花

慎吾がNHK特集ドラマに山本五十六役で主演A

続き→


 役柄的にカメラの回っていないときもリラックスすることが難しかったそうだが、そんななか、堀悌吉(五十六とは海軍兵学校の同期であり、親友。軍備拡大を求める風潮が強まる海軍にあって、五十六に「戦争を避けることの重要性」を説き続ける)役の片岡愛之助とは束の間、心を通わせることができたという。

 「セリフの内容的に重い部分も多いので、合間に(愛之助と)会話できることは少なかったんですけど、堀とのシーンは(五十六にとって)一番の素な時間というか、家族といる時間より堀といる時間が、素に近い本当の自分だった気がします。ふと、ほどける瞬間を生んでくれる親友というか。合間で愛之助さんが自分の飼ってる猫の話をして、緊迫した時間から、一瞬だけゆったりした時間を過ごせました」と、振り返っていた。

■『倫敦ノ山本五十六』あらすじ

日本はなぜ、あれほど凄惨な戦争へと突き進んだのか―。
開戦前の昭和9年、ひとりの海軍将校がロンドンに降り立った。その男は、のちに真珠湾攻撃作戦を指揮することになる提督・山本五十六。国家の命運を背負い、アメリカをはじめとする列強との軍縮交渉に臨もうとしていた。
「交渉が決裂すれば、日本は国際社会でさらに孤立する」。アメリカの絶大な国力を知り、戦争は避けるべきだと考える五十六は、ぎりぎりまで決裂回避への道を探り続ける。しかし、軍備拡大を目指す本国の海軍首脳部から「結論ありき」の交渉を命じられて…。
優先するべきは、国民の命か、国家の誇りか。
組織の中で板挟みになり苦悩の末に、五十六が下した「ある決断」とは?

■演出・大原拓氏のことば
「過去を描くのではなく、未来を描きたい」
山本五十六という軍人を描くドラマではなく、山本五十六(過去)を通して、現代や未来を考えられるドラマであるという観点を大事に作っていきました。私にとって分かりやすい未来とは、子供であり、その笑顔です。自然な何気ない笑顔がある未来を紡いでいくのは、大人の責任でもあるとよく考えます。今回明らかになった文書に記された山本五十六の姿から個人的に感じたことは、未来と向き合った人ということでした。これをヒントに 、ドラマの演出ベースが出来上がりました。

「スーツを着た山本五十六」
軍服ではなくスーツ姿で、武器を持たない戦争に臨む山本五十六。山本五十六モノとしては、とても珍しく新鮮な姿です。勿論、史実を反映した結果なのですが。そんな山本五十六を、香取さんは、淡々と思慮深く演じてます。そして、とてもストイックに抑制を効かせた感情や佇まいは、新たな五十六像を作り上げると共にこの時代の緊張感や不穏な空気を生み出しています。特に見所は、五十六と堀(片岡愛之助さん)とのラスト。二人の醸し出す空気感は、本当に素敵で、演出できて良かったというシーンでした。そして出演者の息を飲む芝居の連続、これまでにない五十六と香取さんの姿、是非お楽しみください。
「山本五十六は何を思い、ロンドンに向かい、そして離れたのか」


(21/12/8(水)ORICON NEWS)