1 陽花

『のど自慢』に初めてSMAP5人で出演@

■本物のSMAPだ!「NHKのど自慢」に初めて5人全員で出演

 人気グループ、SMAPが東日本大震災の被災地、岩手・山田町で「NHKのど自慢」(日曜後0・15)の特番収録を行ったことが19日、分かった。メンバー全員がそろっての同番組出演は初めてで、サプライズで握手会を開いたり、仮設住宅を訪れたりして、地元と一体になった。リーダー、中居正広(43)は「歌は音程じゃないと改めて感じた」とユーモアたっぷりに話した。番組は9月26日午後7時半から放送される。

 終戦翌年の1946年にスタートした「NHKのど自慢」の70年企画として、メンバー5人全員が初めて同番組の収録に参加した。司会の小田切千アナウンサー(45)を補佐する特別司会として香取慎吾(41)が不定期出演する縁から実現した。

 特番のタイトルは「SMAPプレゼンツ NHKのど自慢 in 山田町」。通常の日曜午後0時15分からの放送とは違い、土曜夜に移行して9月26日午後7時半から放送される。収録は8月9、10日に行われ、5人は東京から東北新幹線と車を乗り継ぎ、5時間以上かけて現地入りした。

 正味1時間15分の番組は、異例づくしの展開になった。出場者予選にSMAPも審査員として加わったほか、3組に分かれて仮設住宅や仮設商店街を訪問。さらに漁船にも乗り込んで漁を手伝うなど地元民と触れ合い、カラオケも楽しんだ。そのロケ映像も番組内で紹介される。

 10日に山田町中央公民館で行われた本番直前。SMAPは自らの意思で来場者約600人を正面玄関で出迎え、被災地では初となる一人一人との対面式握手会を行った。「キャー!」「うれしい!」。感激で涙ぐむ若い女性もいた。

 本番には津波で妻子を失った漁師や、仮設住宅に住むお年寄りら16組が出場した。SMAPは出場者に寄り添い、ラストではメドレーで「さかさまの空」「Joy!!」「世界に一つだけの花」を披露。歌いながらステージを降りて観客と次々にハイタッチすると、会場のボルテージは最高潮に達した。

 感動を分かち合い、被災地を元気づけた5人。中居が「一体となれて楽しかった。僕はずっと言い続けてきたけど、歌は音程じゃないことを改めて感じた」と歌の力を強調した。すかさず、香取が「ほう! それを言い続けるために、わざと(音程をはずして)やってたんだ」とツッコミ、大爆笑を誘った。

 復興途上の小さな漁師町を、SMAPが大きく包んだ2日間となった。

中居正広(43)
「時間をかけて東北に来るのは大事。ファン以外の方たちとのふれあいは初めてで新鮮だった」

木村拓哉(42)
「つらいことや、どかさなければならないものをどかしてきた手と握手させていただいた。そんな思いを強くした」

稲垣吾郎(41)
「僕らも出場者と同じ気持ちになれた。最後の出場者という感じで歌えました」

草なぎ剛(41)
「歌を通じて一体となって楽しむ。エンタメの真骨頂は、こういうことだと思った。ロケでもよくしていただき、逆に元気をもらった」

香取慎吾(38)
「歌うことでみんなが元気になり、一つになれることを改めて感じた」

◇山田町(やまだまち)
 岩手県東部に位置し、太平洋に面する。人口は推計1万6525人。穏やかな山田湾と船越湾に接し、中心産業は漁業。カキやホタテの養殖のほか、イカやアワビ、ウニなど豊富な海産物が水揚げされる。9月19〜21日の山田祭は、地元民がみこしをかついで海に入ることで知られる。東日本大震災では高さ25メートルの津波と大規模火災で市街地が広範囲にわたり壊滅的な被害を受けた。死亡676人、行方不明者は148人(昨年12月31日現在)。

◆SMAP、今も物心両面で被災地に寄り添う

 SMAPは2011年3月11日の東日本大震災後、テレビ番組や災害支援プロジェクトを通じ、ライブで集めた義援金を被災地に寄付したり、地元民に料理を振る舞ったりしてきた。さらに、フジテレビ系「SMAP×SMAP」(月曜後10・0)では毎回、義援金を募集。被災地には今も、物心両面で寄り添っている。

(15/8/20(木)サンスポ)