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木村が三池監督と映画で初タッグ@

■キムタク 三池監督と映画で初タッグ

 SMAPの木村拓哉(42)が三池崇史監督(55)と初タッグを組み、映画「無限の住人」(2017年公開)に主演することが4日、分かった。世界22カ国で刊行されている同名の人気コミックを初実写化。木村は不老不死の肉体を持つ伝説の侍・万次役で、映画「武士の一分」以来、約11年ぶりの時代劇映画主演となる。海外でも評価が高い三池監督との“最強タッグ”で、世界に挑む。

 世界を視野に入れた巨大プロジェクトが動き出す。木村は「僕自身もヨーロッパをはじめ、海外の方々にも観ていただけたらと思っていますが、まずはしっかり演じること」と、11月から始まる撮影に気を引き締めた。

 原作は単行本全30巻の累計発行部数が約500万部に達し、米仏など22カ国で愛される剣客アクション漫画。剣客集団・逸刀流に両親を殺された少女に雇われた用心棒で不老不死の侍・万次(木村)が戦う姿を描く。

 死なない侍のアクションなど映像化困難と言われてきたが、三池監督が「度胸がないとできない」と覚悟を決め、世界も待望する実写化が動き出した。

 原作を読んで「ハマる」と“木村万次”を想像した三池監督が「あなたでなかったらこの作品は撮りません」と熱望。これを伝え聞いた木村は「僕のことを要してくださったという事実に、自分の中でなんかざわめいた」と、今年の「HERO」に続く映画主演を決めた。

 オファー以前から三池作品を鑑賞していた三池組初参加の木村は「自分の“個”はありますけど、現場では監督の求める“素材のひとつ”」と殺陣、アクションなど演出に期待。監督も「昭和と平成を串刺しにするスーパースター・木村拓哉を用心棒につけた我ら映画界の逸刀流・三池組は世界最強」と、木村に信頼を寄せる。

 ジャンルを問わない三池監督だが、時代劇でも「十三人の刺客」(10年)や「一命」(11年)が世界の映画祭で評価された。最強タッグの今作も、世界三大映画祭出品から世界上映へと、大きな期待が集まる。

◆三池監督 キクタクの起用理由を語る

 三池監督は木村の起用理由を「死ねない男と、永遠にトップアイドルで降りられないところがかぶる。人は殺しはしないけど木村拓哉も“無限の住人”」と説明した。衣装合わせで会った印象は「意外にシャイ」。トップアイドルで居続けることに「本人がイメージしたものを超えちゃっている。もしかしたら退屈なんじゃないかな」と推測しつつ、「『映画はやっぱり面白いよね』と思わせたい」と意欲を見せた。

(15/10/5(月)デイリースポーツ)


■木村拓哉10年ぶり時代劇「無限の住人」17年公開

 SMAP木村拓哉(42)が10年ぶりに時代劇映画で主演する。累計500万部の人気コミック「無限の住人」(原作・沙村広明)の映画化で、国際映画祭の常連、三池崇史監督(55)がメガホンを取る。11月クランクイン、17年5月に公開予定。初顔合わせの2人が、同作でカンヌを目指す。

 木村にとっては、山田洋次監督「武士の一分」以来10年ぶりの時代劇映画となる。クランクインは11月だが、早くも原作世界に思いを巡らせている。

 「三池監督が僕を欲してくださったというのが一番大きかった。原作は好きな世界観ですし、不死身の主人公は今の社会では想像できないくらいの『痛み』と背中合わせです。見てくださる方に納得していただくためにも、うまくバランスを取らなければいけない」

 「無限の住人」は、「100人斬り」の異名を持ち、謎の老女から不老不死の肉体を与えられた万次が主人公。両親を殺された少女のために剣客集団との激烈な戦いに身を投じる。原作は22カ国で出版され、00年には米アイズナー賞に輝くなど、国際的評価も高い。

 「無限−」を映画化するにあたり、木村の主演起用を決めた三池監督は「不死身の剣士を演じるのは、この人以外考えられなかった」と説明。その上で「木村さんは昭和と平成を串刺しにしたスーパースター。人を殺さないことを除けば、『不死身』という意味で主人公に近い。彼自身、業界力学を超えた高みにいて、ひょっとしたら退屈していたのじゃないか。撮影現場で『映画って楽しい』と思わせたい」と話した。

 三池作品は10年の「十三人の刺客」がベネチアで、11年の「一命」と13年の「藁の楯」がカンヌで話題を集めており、原作の国際的人気を考えれば、公開に合わせた17年5月のカンヌ映画祭出品に現実味が出てくる。すでに衣装合わせを行った木村も「まずはしっかり演じることですが、監督、(小岩井宏悦)プロデューサーの目線の先に海外を意識していると感じました」と言った。木村の主演映画としては「武士の一分」がベルリン国際映画祭で特別部門に選出されて以来の国際舞台となりそうだ。

 主人公とともに復讐(ふくしゅう)の旅に出る少女、謎の老女などのキャストも注目される。

 ◆木村拓哉とカンヌ国際映画祭 04年5月、出演した香港映画「2046」の上映に合わせて参加。現地に5000人余りのファンが集まる騒動となったが、あくまで助演の立場だった。「無限の住人」が、正式に出品されることになれば、「主演男優賞」の候補になる。

(15/10/5(月)日刊スポーツ)