1 陽花

木村がジュリー副社長と緊急会談C

■ジャニー社長、信頼か威厳か!SMAPの父の心境はいかに

 独立騒動に揺れるSMAPだが、彼らの今後を誰よりも案じているのがジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長だ。デビュー前から目をかけ、エンターテインメントの基礎をたたき込んだ生みの親。香取慎吾(38)は最近もコンサート演出の相談をするなど、深い絆がある。アイドル王国の長として、SMAPの父として、ジャニー氏の心も揺れている。

 デビュー直後は泣かず飛ばずのSMAPをトップアイドルへと押し上げ、今回の独立騒動のきっかけになった女性チーフマネジャー(退社予定)が「育ての親」なら、5人を抜てきしたジャニー氏は「生みの親」。関係者によると、ジャニー氏も騒動に心を傷め、グループの行く末を案じているという。

 光GENJIのバックでスケボーのパフォーマンスを披露していた12人から、森且行を含む6人(当時)をピックアップしたのがSMAP。グループの名付け親はもちろんジャニー氏だ。思い出は数え切れない。当時血気盛んだったジャニー氏は合宿所の固定電話を投げつけて怒るなど、愛情ゆえに真っ正面から向きあった。

 グループを結成した1988年には、ジャニー氏が引率し、マイケル・ジャクソン(09年死去)の日本ツアーを見に行った。この日の感動を忘れたことはない。「東京ドームに立っているマイケルを見て、自分たちもドームに立てるアイドルになりたいと思った」と香取慎吾。中居正広(43)もコンサートや歌番組でマイケルを意識したダンスを披露し、リスペクトの念を表現している。

 また、SMAPのコンサートの総合演出を担当する香取は、12年の公演についてジャニー氏から演出のアイデアを仰いでいた。コンサートの世界観と一致するジャニーズJr.をジャニー氏が紹介したこともあった。ジャニーズのトップとしてではなく、ひとりのプロデューサーとしてショーの成功を誰よりも願っていた。

 現在、ジャニー氏は作・構成・演出を務める東京・帝国劇場のミュージカル「ジャニーズ・ワールド」の本番中。まだ公式には発表されてはいないが毎春恒例の「滝沢歌舞伎」(東京・新橋演舞場)の総合演出も手がけるとされている。「去る者追わず」の精神を貫いてきた事務所のトップとしては、一度は独立を表明した中居、稲垣吾郎(42)、草ナギ剛(41)、香取の4人を受け入れることは他のタレントに示しがつかないという思いは確かにある。だがSMAPは、自身のショースピリットを授けた秘蔵っ子。生みの親ジャニー氏の決断は騒動の行く末に大きく影響しそうだ。

◆松ちゃんが中居に酒席で忠告「SMAPバラバラありえない」

 独立騒動の渦中にある人気アイドルグループ・SMAPについて、リーダーの中居正広(43)と親交が深いダウンタウン・松本人志(52)が17日、フジテレビ系「ワイドナショー」(日曜・前10時)に出演。収録前夜の15日に中居と会ったことを明かし、「絶対に解散してはいけない」と助言したことを明かした。一度は独立に傾いた中居だが、松本は「彼が一番SMAPを大事に思っている」と胸中を代弁し、グループの存続を訴えかけた。

 親友・中居に突如降りかかった窮地に、松本の表情はいつになく真剣だった。「僕は、絶対に解散してはいけないと言いました。独立するならまだしも、(メンバーが)割れて解散は絶対にありえない。誰も得しない。事務所にいながらの解散はギリギリセーフかもしれない。とにかく、バラバラになるのはありえないと思うよ、と言いました」。ストレートな言葉には、何とか5人のSMAPに戻そうという思いがあふれた。

 番組を収録したのは16日。15日の夜、松本の電話が鳴った。中居だった。「『明日、ワイドナショーだから、(この件を)しゃべりたないわ』って言ったんですよ。けど『来る』って」。東京・西麻布の飲食店で酒を酌み交わした。

 ジャニーズ残留を望む木村拓哉(43)と、一度は独立を目指したが、行き場を失っている中居、稲垣吾郎(42)、草ナギ剛(41)、香取慎吾(38)。国民的アイドルの分裂危機に、松本も「惜しまれながら引退、解散というグループはこれまでもあったけど、限度があるというか、(SMAPは)格が違う」と言い放った。

 中居と松本は、15年来の親友だ。もともと音楽番組などでは顔見知りだったが、2000年の日本テレビ系連続ドラマ「伝説の教師」で共演して以降、意気投合。昨年2月に死去した中居の父・正志さんの病床に、松本は笑福亭鶴瓶(64)、タモリ(70)らと見舞いに訪れたこともあった。中居も「ワイドナ―」の準レギュラーとして不定期出演し、昨年大みそかには日テレ系「絶対に笑ってはいけない名探偵24時!」にゲスト出演。年明けにもフジ系「人志松本のすべらない話」に出演するなど公私ともに交流を深めてきた。

 それだけに、友の苦しむ顔は見ていられない。「人のことなのに、泣きそうになってくるんです、なんでやろ」と松本は悲痛な表情。メリー喜多川副社長と女性マネジャーとの対立に巻き込まれてしまった形の5人。「彼はSMAPをすごく大事に思ってる。(メンバーの中で)一番思ってるんじゃないかな」と中居の心中を思いやった。

 独立か、残留か。依然、膠着(こうちゃく)状態は続いているものの、松本のような親交のある大物タレントの後押しや「世界に一つだけの花」購買運動など、世論が存続への高まりを見せている。事務所関係者も「ファンの声は無視できない」と明言していることから、ファンの思いこそがSMAPの未来への可能性をつなぐことになりそうだ。

つづく