1 陽花

SMAP存続決定、スマスマで謝罪G

◆SMAP取材陣フジに80人、玄関にVTR10台

 生放送のためSMAPメンバーが集結した、東京・台場のフジテレビ本社には午後6時前から取材陣が集まりだした。ピーク時は総勢80人、テレビカメラ10台が正面玄関の車寄せで待ち構えた。出ていく車を1台ごとにチェックしたが、メンバーの姿は確認できず。ファンだという女性3人組は「25周年なんですよ。一緒にいてくれるだけでいいのに。悔しい」と騒動に涙した。

 楽屋のあるフロアは、ガードマンが配置され、部外者の出入りをチェック。広報部には10人ほどの部員が待機。共同制作の関西テレビからも広報担当が応援に駆け付けて、視聴者からの問い合わせに備えた。

◆SMAP「解散」から軟化、木村きっかけに対立緩む

 騒動の発端は、グループを思って独断専行を貫いてきた担当のマネジメント室長と、事務所側の対立だった。けた外れの人気や社会現象を巻き起こすその活躍ぶりに、事務所側はSMAPを特別待遇した。他のグループは担当マネジャーが人事異動で定期的に入れ替わるが、SMAPは育ての親とされるマネジメント室長はその対象外。まるで“独立国”だった。

 両者の溝は年々深まり、修復が難しい状態になっていった。マネジメント室長も、自分とグループの将来を考え、独立に向けて根回しを始めた。事務所側は独立に向けた動きをけん制したが、完全に収束することはなかった。それぞれのメンバーと代理人も出席した上で面談をするなど、時間も手間もかけて現状の把握に努めた。しかし、メンバーが4人と1人に分かれることになるという実態を把握し、「グループ存続はありえない」「解散やむなし」と判断した。

 国民的グループをめぐる異様な状況が、日刊スポーツなどに「解散」と報じられた。事務所側は「解散ありき」で騒動の着地を考えていたが、世論の反響の予想以上の大きさに驚いた。これまで光GENJIなど多くの人気グループの解散やタレントの独立を経験してきたが、今回の反響はその比ではなかった。

 関係者の話を総合すると事務所側が「解散」から「存続」にかじを切る大きなきっかけを作ったのは、木村拓哉の働きかけだった。メンバー4人が独立の意思を固めても、ただ1人残留を決意するなど残りのメンバーと対立構図にあった。しかし、ファンの反響や、SMAPブランドを守る大切さを再認識した木村が、解散を回避するための動きを見せた。2つの想定外が「解散ありき」の結論を軟化させていく流れを作った。

◆SMAPの今後“特別待遇”失う「協調路線」へ

 18日夜、フジテレビ系「SMAP×SMAP」の生放送で空中分解を回避したかったと表明したSMAPの5人だが、今後は苦難の道が予想される。これまでの“特別待遇”が認められない可能性も高く、他のグループとの協調も求められることになりそうだ。この日の生放送に注目した芸能関係者たちはさまざまな見方を示した。

 SMAPは、これまでとは違う活動スタイルが求められる。

 群を抜く人気と、ほかのグループと距離を置く活動スタイルから、事務所の中では孤高の存在だった。稼ぎ頭として長年活躍し続けた功績から、別格扱いが黙認されていた形だったが、これからは違う。

 他のグループやタレントと距離を置く独自路線のマネジメントスタイルを推進し、SMAP育ての親ともいわれた女性マネジメント室長は退社する。さらにメンバー4人が、育ての親に追随する動きを見せ、騒動を引き起こした責任は大きい。これまでは、大みそかのカウントダウンコンサートなど、事務所が主導する大きなイベントに参加しないなど“特別待遇”もみられたが、育ての親を失った今、事務所の打ち出す方針に沿い、他のグループやタレントと距離を縮めた一丸となったジャニーズファミリーとしての活動が求められる。これまであまりなかった後輩との共演や、事務所主導のイベントへの参加などが増えることになりそうだ。

 ジャニーズ事務所は、大勢のアイドルを抱えるからこそ、規律性などを考えていわゆる「示しがつかない」と表現される行動に対してはとても厳しい。今回も解散の危機を招いたメンバーに対し、分裂の回避は認めたものの、ほかの所属タレントに対する「示し」もある。「水に流して」などという甘い状況でないことは確実で、独自路線から「協調路線」に変化した新生SMAPの活動スタイルが注目される。

つづく