1 陽花

ベッキー復帰で中居に賞賛の声B

◆記者の目 練りに練られた復帰の場

 14年の矢口真里の不倫謝罪、今年1月のSMAP解散騒動など、特定の番組での“公開謝罪”は、けじめの儀式の一つとして定着した。今回のベッキーもその流れにあるが、出演者全員が家族的な雰囲気で受け入れ、食を共にしながら、小出しに近況を語るというのは今までにないスタイル。制作サイドが練りに練ってこの場を準備したことは想像に難くない。

 謝罪の核心部分は、薄暗い室内で、気心知れた番組MCの中居正広と膝つき合わせて行われた。時間をかけ、とつとつと胸のうちを語ることで、公開謝罪にありがちな「糾弾」イメージを避けることにも成功したと言える。中居はソフトな口調ながら、聞くべき事は聞き出しており、情報量に不足はない。

 ただ、この巧みすぎる復帰の儀式が、世間にどう受け止められるかは未知数。味方ばかりの番組はホームグラウンド。外はまだ厳しい風が吹いているかもしれない。今後、公の場に出てきた時に、どこまで誠実さを見せられるかが次のヤマ場になるだろう。

(16/5/14(土)東京中日スポーツ)