1 陽花
【報知】歴代記者が見たSMAPの軌跡
■【歴代担当記者が見たSMAPの軌跡】香取の無表情…色んな思いを押し殺しているようだった
スマスマ最終回の「世界に一つだけの花」を見て、最も印象に残ったのは香取慎吾の無表情だった。グループ最年少ながら、陰の演出家として、SMAPのステージ作りを手掛けていたのが香取だった。開演前の取材でも生き生きと演出プランを語っていた人が、あんなに生気のない顔でステージに立っているのが信じられなかった。
デビュー20周年の2011年は、SMAPにとっても大きな1年だった。東日本大震災の発生と直後のチャリティー活動。デビューの地である西武園ゆうえんちでの記念イベント。そして北京での初の海外公演。国内外でSMAPの存在の大きさを目の当たりにした。
北京では中国語でテレサ・テンの歌を歌ったのも香取のアイデアだった。公安当局の規制で演出は制限されたが、夜中までリハーサルを行い、日中の懸け橋となるコンサートを成功させた。前年、上海万博のイベントと上海公演が政治情勢などで立て続けに中止になっていただけに「ここまで長かったけど、新しいSMAPはもう始まってるんです」と目をキラキラさせていた。
西武園での20周年イベントでは5歳年上の中居正広、木村拓哉への真っすぐな憧れも語っていた。「中居君、木村君みたいな大人になりたい。見えないところで努力してきたのをずっと見てきたから、2人の年齢になった時に僕も同じようになれるように努力しなきゃと思ってます」。当時の2人と同じ年になった今、それが決別の時になるとは本人も予想しなかっただろう。
木村にインタビューした際、SMAPについて「欠かせない臓器って感じ。健康体の時は気にしないけど、調子悪くなった時に病院に行くと、ここが弱ってますよって言われるような。ソロで仕事に行く時も笑って送ってくれて、おかえりって普通に迎えてくれるのがすごい」としみじみ語っていた。互いをカバーし合い、困難を乗り越えてきたはずのSMAPだが、「世界に―」を歌い終え、ひとり背を向けて泣いた中居の方を誰も見なかった。
今回の騒動では、グループ存続にも最終回のスマスマ生出演にも、香取が最後まで抵抗したと伝えられているが、こうなるまでには、計り知れない葛藤があったのだろう。無表情の中にいろんな思いを必死で押し殺しているようで痛々しかった。(芸能デスク)
◆異例の全員握手会 2011年は20周年を祝うファンイベントが、西武園(9月11日)と東京ドーム(11月12日)で行われた。西武園では木村の発案でファン約1万人全員との握手会を開催。東京Dでは5人が各出口に立ち、約2時間かけて5万5000人のファンをお見送り。香取は「握手もしたかったんですが、計算すると夜中になるので」と悔しがっていた。ファン全員に「御縁」と刻んだメダルもプレゼントされた。
(16/12/29(木)スポーツ報知)
スマスマ最終回の「世界に一つだけの花」を見て、最も印象に残ったのは香取慎吾の無表情だった。グループ最年少ながら、陰の演出家として、SMAPのステージ作りを手掛けていたのが香取だった。開演前の取材でも生き生きと演出プランを語っていた人が、あんなに生気のない顔でステージに立っているのが信じられなかった。
デビュー20周年の2011年は、SMAPにとっても大きな1年だった。東日本大震災の発生と直後のチャリティー活動。デビューの地である西武園ゆうえんちでの記念イベント。そして北京での初の海外公演。国内外でSMAPの存在の大きさを目の当たりにした。
北京では中国語でテレサ・テンの歌を歌ったのも香取のアイデアだった。公安当局の規制で演出は制限されたが、夜中までリハーサルを行い、日中の懸け橋となるコンサートを成功させた。前年、上海万博のイベントと上海公演が政治情勢などで立て続けに中止になっていただけに「ここまで長かったけど、新しいSMAPはもう始まってるんです」と目をキラキラさせていた。
西武園での20周年イベントでは5歳年上の中居正広、木村拓哉への真っすぐな憧れも語っていた。「中居君、木村君みたいな大人になりたい。見えないところで努力してきたのをずっと見てきたから、2人の年齢になった時に僕も同じようになれるように努力しなきゃと思ってます」。当時の2人と同じ年になった今、それが決別の時になるとは本人も予想しなかっただろう。
木村にインタビューした際、SMAPについて「欠かせない臓器って感じ。健康体の時は気にしないけど、調子悪くなった時に病院に行くと、ここが弱ってますよって言われるような。ソロで仕事に行く時も笑って送ってくれて、おかえりって普通に迎えてくれるのがすごい」としみじみ語っていた。互いをカバーし合い、困難を乗り越えてきたはずのSMAPだが、「世界に―」を歌い終え、ひとり背を向けて泣いた中居の方を誰も見なかった。
今回の騒動では、グループ存続にも最終回のスマスマ生出演にも、香取が最後まで抵抗したと伝えられているが、こうなるまでには、計り知れない葛藤があったのだろう。無表情の中にいろんな思いを必死で押し殺しているようで痛々しかった。(芸能デスク)
◆異例の全員握手会 2011年は20周年を祝うファンイベントが、西武園(9月11日)と東京ドーム(11月12日)で行われた。西武園では木村の発案でファン約1万人全員との握手会を開催。東京Dでは5人が各出口に立ち、約2時間かけて5万5000人のファンをお見送り。香取は「握手もしたかったんですが、計算すると夜中になるので」と悔しがっていた。ファン全員に「御縁」と刻んだメダルもプレゼントされた。
(16/12/29(木)スポーツ報知)