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黒の紋付袴からは鳥の足のように骨ばった腕が伸びていて、その右手には堅そうな木で出来た杖を携えている。
まさしく妖怪の長、とんぬらりひょん、であった。
とんぬらりひょんと悪太郎は深い森の、耳を突くような静寂の中、お互いの顔がはっきりと分かる程の距離で対峙した。