31 名無し
つまりは悪太郎が禿げ、と言った所で、彼はその刄の一切で傷を負うことは無いはずなのである。
悪太郎は己の頭頂部に申し訳程度に生えている柔らかいほとんど産毛の髪をほとほと恨んだ。髪は彼の頭の上で必死に抜け落ちるのを堪えている。