7 イレイザー健◆X0GH
「ぜえ、ぜえ、鮭とばよぉ、このままじゃ決着がつかんなぁ、ここは一つ早撃ちで勝負ってのはどうじゃ」 「はあ、はあ、いいだろう」「そんなら互いに背を向けて十歩歩いた時点で振り返り早撃ちするってのはどうじゃ」 「それでいい」 二人は互いに背を向け腰に銃をしまう。 「これで決着じゃ鮭とばぁ」「てめえの面もいい加減見飽きた、今度こそ終わらせてやる」 二人はゆっくりと逆方向へと歩きだす。 「いーち、にーい、さーん、しーい、ご・・」
9 イレイザー健◆X0GH
五歩に差し掛かった辺りだろうか、巨躯の男は田代砲を手に取り唐突に体をひるがえした。 「死ぬのはお前じゃ鮭とばぁ!!!」 が、しかし巨躯の男が見たものはすでに44リボルバーマグナムの銃口をこちらに向けているカウボーイ風の男の姿であった。 「お前は昔から変わらないね、ゴンズラ」 「ガウンッ!!」 44リボルバーマグナムが火を吹き巨躯の男の田代砲を弾き飛ばす。 「ぐぅっ!!」 「さあ、懺悔の時間だ」
10 イレイザー健◆X0GH
「ふ、はっはっは!ワシの負けじゃ鮭とばぁ!さあ、殺せ!」 巨躯の男は観念したように目をつぶる。 「あの世でマリアに謝罪しな」 カウボーイ風の男は巨躯の男の頭に狙いをつけゆっくりとその引き金を引く。 「ガチンッ!」 しかし44リボルバーマグナムは銃声の代わりに乾いた金属音を荒野に響かせた。「ど、どういうことじゃ鮭とば」 「ふ、俺も運が無い。どうやら弾切れだ」 カウボーイ風の男はカウボーイハットを深くかぶり直しその場を立ち去った。