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彩 愛 美
メルトタウン

メタモルフォーゼする
真夏の空のように
直ぐにも形を変え
今一瞬の有り様を
誰にも示せないまま
終わってしまう

熱帯化する街は
歩いて居る事すら
許してはくれなくて
外に居ても
中に居ても
人々は暑さの内に
倒れて行くのだろう

水分だ 塩分だと
失われてからでは遅い
後の祭りの忠告など
何の役にも立たずに
もっと早目の報告をと
声に成らない叫びだけが
カラカラと響いていた

体温を越えて行く
空気の重たさに
体中の汗を搾られて
動かない足を引き擦って
蜉蝣の揺らぐ街を
一日中宛も無いまま
彷徨い続けるのだろう
(SOT21/au)
彩 愛 美
ph(ペーハー)

擦れ違う度に お似合いですねと
誰もが羨む ベストカップル
割り込む 隙間など微塵も無い
硬い絆で結ばれている二人… のように見えても

見た目には以心伝心 ピタリと息の合う二人
だけど本当は まるで合わない真逆の性格

あなたがアルカリ性で 私が酸性
お互い引き合ったり反発しあったり
なかなか釣り合う中性に成らない
隣合うエレベーターみたいな 行き違い


肩寄せて歩く 姿が素敵と
視線が絡む 煩わしさも
勝手な 想い込みで決められる
わざわざそれを否定しないけど…何だかだよね

それ程に互いが解る なんて事がある訳も無い
だけど本当に 通じ合えるのなら素敵なのに

あなたがアルカリ性で 私が酸性
異質な二人だから 上手く行く事もある
なかなか想うようには成らない
交差するエスカレーターみたいな 擦れ違い


元々違う畑で 育って来た別々の二人
何もかもが合うなんて 有り得ない話しだわ


あなたがアルカリ性で 私が酸性
上手く行く時だって 行かない時だって
一緒に居れば 幾らでもあるわ
忖度する恋愛の駆引きも 面白い
(SOT21/au)
彩 愛 美
積 乱

茹だる暑さに
世界は溶け出す
涼を求めて酒宿へ
雪崩れ込んでは
我を忘れ去る

積もる鬱憤も
多々在るのだろう
限度を越えてまで
酒が進んで行けば
制御の効かないまま
人を忘れ去る

乱れる歩調で
駅や店に踏み込み
我こそは客だと
大きな顔をして
怒りをぶちまけて
仕事人に
無理難題を投げ掛け
暴言や暴力を奮い
神の名を汚す
悪魔の顔を
晒す出す

湧き立つ雲のように
邪神の振舞いで
もはやそこには
人の欠片すら
見出だす事は出来ない

夏の暑さのせいだなんて
誰にも想えないまま
雷雲は拡がって行く
(SOT21/au)
彩 愛 美
残り雨慕情
この街に今も 小さな残り雨が降り続いて
まるで私の心を 見透かしたように空が笑う
何時までも晴れぬ 心の凝り雨を拭えなくて
何処か定まらないまま 視線をずらして空を仰ぐ

まだ渇き切らない間に 降る次の雨に怯える
どれだけ傘を用意しても 追い付けはしない

支え切れない心の堤防 流れを読めない愛の行方
繋ぎ止める程の余裕も無く 凍えて行く叫び
声に成らない恋の命綱 握り締め続けて居ても
雨に滑るこの手に掴める恋など 見付けられなくて


何処に居ても変わりはしない 愛の残量が気になる
直ぐにチャージしなけりゃ もう一歩も進めなくなる
何時までも同じ 気持ちのままで走れはしなくて
何処まで進めるのか 不安をダブらす空を仰ぐ

今の私に出来うる 次の手を考えてる
どれだけ無駄な思考しても 空回りしても

何時切れるか解らない 細い糸に全てを託して
足掻き続ける未練の不様さ 全てを晒け出し
このまま終わる恋の運命 見て見ぬ振りをして居ても
雨に曇るガラスに書いた文字のよう 直ぐに消えて行く


もう諦めよう これで最後にしようって
想うだけでは 次の恋には進めはしない


罪に問われる心の葛藤 流れを汲めない恋の末路
行くも止めるもどちらも棘道 裸足で歩いて行く
声を洩らして恋の断末 絞り出すように泣いても
雨が残るこの街に居続けるなら これきりにしよう
(SOT21/au)
彩 愛 美
NO S.O.S.

誰かが
何処かで
助けを求めている
声は届いているのに
誰も振り向きもしない

少しでも自分に
リスクがあると
見ない振りをする

資金援助のように
直接関わらない事には
積極的でも
幾ら人助けでも
我が身に
火の粉が降り掛かったり
不利益になるような時は
消極的になる

排他的だとか
村八分だとか
小さな組織を作っては
余所者に対して
交流しないとか
内向的な国民性
他人の事なんて
構ってられない
小集団意識の塊

救えないS.O.S.
裏返せば
救ってもらえないS.O.S.
どれだけ大声を
上げたとしてもね
(SOT21/au)