まとめ

過去ログ295 2015/3/25 11:54

★土曜日 共通
中山11レース

クリールカイザー
前走のAJCCはエクイターフで馬場が軽い状況。
ペースを超スローに落として緩い流れから急に12秒前後のラップを刻み、1段階目の加速を逃げたり番手に下げたりしながらのペースメイクとなりました。
3コーナーで内から出し抜いて更にもう一段階の加速を4コーナーで刻み、出し抜いて直線を向くとそのまま後続を降り切って課題のL1でも踏ん張っての勝利となりました。
この馬の良さは要所にあり、ペースを主導することができるだけのスピードが大きく影響しています。
ただ、仕掛けてから最後に甘くなる傾向があります。その点でも3コーナーでジワッと仕掛けながら4コーナーで速いラップを刻むという競馬は理想的な展開だったと言えます。

元々はアルゼンチン共和国杯でも強い競馬をしていた馬で、12.1 - 12.4 - 12.6 - 13.1 - 11.4 - 11.3 - 12.0とペースが速くて仕掛けが遅れるパターンとなり、ここで番手から早めに仕掛けて4コーナー出口で抜け出して直線という競馬。ラップ的に見てもこの距離にしてはトップスピード戦に近い競馬で、その上でL3が11.4と速いタイム。
これをトップスピードの持続力で高い能力を持っているフェイムトゲームに上手く立ち回られてL1の強襲を受けたという形でした。

この馬の場合は脚質自在で、要所でのペースアップでも動けるギアチェンジ能力も備えており、序盤で無理をしなければトップスピードの質、持続力ともにそこそこ持っています。
ただ、ステイヤー色が強いレースになると各馬も長く脚を使えるため、同じような位置取りで同じような仕掛けで苦しくなるのはステイヤーズSで証明済みです。
そうならないためにも前走、アルゼンチン共和国杯のようにしっかりとポジションを取り、全体のペースをしっかりと一定レベルに上げて仕掛けを待つことができるかどうかがポイントとなります。
前半はスローでも問題ありませんが、向正面の段階で2段階加速のイメージでしっかりとペースを引き上げて後続の捲りを封じる競馬が理想です。
そして2段階目の仕掛けをいかに遅らせることができるか。

今回はトップスピードの質、持続力面で良さを持っている総合力が高い馬が相手になります。
ポテンシャルタイプのサウンズオブアースも強敵ですが、とにかくこの馬は自分の競馬にしっかりと徹することができるかどうか。
ハナを切る馬がいないため、逃げの手も打てますが、大事に乗るのではなくこの馬のペースをしっかりと刻む事ができれば面白い1頭です。

★土曜日 共通
中山11レース

日経賞

アドマイヤデウス
ダービーでは面白い競馬で7着。
平均ペースも大逃げ馬が刻んだもので実質的にはややスローの展開となりました。
12.7 - 13.6 - 12.2 - 11.6 - 11.1 - 11.7と仕掛けの遅い流れでトップスピード勝負となり、総合力が問われました。
この流れを最内というポジションを取りながら直線に入り、前が開いた時にそこに入るまでの反応が鈍く、そこからL2でジリッと伸び出すとL1でもジリジリと脚を使っての7着。
内容的に前を向けなかったというのはギアチェンジ的に見ても苦しい競馬で、そこで置かれるのは仕方ありません。
ただ、そこから脚を使って伸びてきたという点は評価できます。
このダービーはトゥザワールドが有馬で好走しており、スズカデヴィアス、マイネルフロストが総合力勝負で好走できているという点からもハイレベルな1戦だと言えます。

前走の日経新春杯は骨折明けの1戦。
ややスローから、12.7 - 12.3 - 11.6 - 11.3 - 11.5と仕掛けどころが遅くL2最速戦となり、L1もほとんど落とさないラップとなりました。
この流れで自らハミを取って中団の内目から上手く立ち回りながら直線で最内まで誘導して2列目から先頭列に並びかける展開。
L1で一気に抜け出して長く脚を使っての完勝となりました。
ダービーでは苦戦していましたが、このレベルなら総合力で一枚上だったと言えます。
ただ、正直このレースに関してはレベルそのものは高いとは思えず、サトノノブレスも主導権を取らずに中団で一瞬の脚を押し上げるのに使ったに過ぎません。
ダコールやコウエイオトメが上位でもあり、そこまで過度な評価はできません。

現時点ではダービーでの内容、日経新春杯を見てもトップスピードを問われる総合力の高さは持っている一方で、若葉Sのように中弛みからの4F勝負でラップを落とさない中で差し切るといったようにロングスパート適性の高さも見せています。

総合力も一定のレベルのモノは見せていますが、ポテンシャル勝負の方が良さそうな1頭です。
ギアチェンジ戦で強敵が揃っていたダービーで不利な状況下からしっかり伸びてきたという点ではトゥザワールドとはトップスピード戦、ギアチェンジ戦では見劣らないように思えます。
今回相手は強化されることは間違いないとしても、この馬としては2500m戦ではこれと言って穴は見当たりません。
スローペースにも当然対応可能で、動き出しの鈍さもありません。
この条件なら力は出し切れそうなため、適性の幅を生かしてしっかりとロスなく進め、このクラス相手にどこまでやれるか楽しみな一戦です。


サウンズオブアース
この馬はポテンシャルタイプの典型で、ダービーの崩れ方を見ても平均気味の競馬で仕掛けが遅いパターン。
12.7 - 13.6 - 12.2 - 11.6 - 11.1 - 11.7というラップで2列目ポケットから追い出されても反応で圧倒的に見劣って最速地点でスルッと下がったようにキレ負け。
こういった緩い流れからスッと加速してトップスピードでというような競馬は向いていません。
ポテンシャル勝負、トップスピード持続戦では安定しているのは確かです。
その上で今回の中山2500mという条件ですが、日経賞においては前哨戦という立ち位置でもあり、ロングスパート戦にならないケースも多くなっています。
近2年はロングスパート戦ではなくトップスピードが問われる競馬になっている事からもスローのトップスピード勝負になる可能性が高いように思えます。
その点をこの馬がしっかりと仕掛けで主導して自分の競馬に持ち込めるかどうか、という点が大きなポイントとなります。
今回の鞍上はこの馬にとっては大きい材料になりそうで、外から押し上げてでもしっかりとポテンシャルを引き出してあげたい馬なので、そういう意味でもミルコ騎手とのコンビならまず脚を出し切る競馬はしてくれそうです。
後は位置取りと仕掛けのタイミング一つ。
前がスローに持ち込むようなら積極的なロングスパートを仕掛け、前がある程度離して逃げるのであれば集団の前目にはつけての消耗戦真っ向勝負。

★土曜日 1鞍
中山11レース
サウンズオブアース

この馬は典型的なポテンシャルタイプ。
前走の菊花賞は60.9-61.3-58.8と菊花賞では珍しく中緩みのない展開で、後半は加速して11秒台を4連続して落とさないという競馬。
スローからの4F勝負で、レコード更新できたのは超高速馬場で中弛みがなかったことが大きな要因です。
この流れを中団の最内で勝ち馬を見ながら進め、コーナーでの加速で最内を上手く押し上げながら直線入りで最内を突くとしっかりと伸びて3番手以下は引き離しての2着。

神戸新聞杯は2着となりましたが、実質3着の競馬。
ジワッと行かせて中団よりも少し後ろの位置を取り、道中もスムーズに折り合って勝負どころでは徐々に上がって行きましたが4コーナー手前で勝ち馬をやり過ごして外に出すとラスト100mでフラついてトーホウジャッカルの進路を邪魔しての3着。
まともならサウンズオブアースに前に入られて更に外に振られる不利がありながらもアタマ・アタマ差の3着となったトーホウジャッカルが勝っていたレースだったと言えます。

今回は中山2500m戦。
近2年はロングスパート戦ではなくトップスピードが問われる競馬となっているだけに、スローからのトップスピード勝負になる可能性は高いように思えます。
仕掛けを遅らせずに、積極的にスローでも早めに仕掛けられる鞍上となるため、自分の競馬に持ち込めるかどうかがカギとなります。