まとめ

過去ログ349 2015/4/30 14:08

★日曜日 121
京都11レース

天皇賞・春

ウインバリアシオン
昨年の天皇賞春は上手く脚を引き出してきた形と言え、ラップ的には12.9 - 12.9 - 12.3 - 11.7 - 12.0 - 11.1 - 11.7と長距離戦らしく道中で緩んでの3コーナー下りから徐々に加速し、結果的には2F戦という形となりました。
この流れで後方から進めながらそキズナよりも前で進める展開。
2週目の3コーナーで外に持ち出して坂の下りから後続を待たずに速めのスパート。
直線序盤の最速地点ではキズナを引き離す脚で鋭く伸びて先頭列に並びかけ、L1では内からフェノーメノが伸びてきてフェノーメノと併せ馬の形となり最後はホッコーブレーヴの強襲も受けるも見せ場をしっかり作っての2着。
結果的にポジションが後ろ過ぎたか印象はありましたが、それでもキズナの仕掛けとほぼ同じタイミングで一つ前、内で動けたというのも大きかったように思えます。
最速地点での切れ味はこの距離、このメンバーでは最上位で、それを上手く引き出しましたがラスト100mで甘くなってしまいました。
次走の宝塚記念では12.1 - 12.0 - 11.8 - 11.7 - 11.8 - 12.1とスローのロングスパート戦の流れの中で中団から外々追走しながら伸びずに7着。
緩い馬場を気にして走っており、レース後は屈腱炎再発となったため、参考外の1戦です。

復帰してからの金鯱賞、有馬記念は同じ屈腱炎明けだった一昨年と比べても不満が残る内容で、有馬記念はスローからの13.0 - 12.3 - 12.4 - 11.5 - 11.2 - 11.9とL2最速のトップスピード戦で、この流れはウインバリアシオンが得意としている展開。
この流れでゴールドシップを目標にしながら外から動いており、これでゴールドシップやこれより遅れたジャスタウェイにも勝負にならないという内容は残念の一言で、『引退』の文字が浮かぶ1戦となりました。
しかし前走の日経賞では復活の兆しを見せた、有馬記念と同じ中山芝内2500m戦で高速馬場ということもありましたが13.1 - 12.4 - 11.8 - 11.7 - 11.7 - 11.6 - 11.8と中弛みからのロングスパート戦という感じの競馬。
この流れを好位の内目で競馬とこれまでにない形で進めながら、3〜4コーナーでも内目を楽に立ち回りながら3列目で直線を向くと、そこからアドマイヤデウスには完封されましたが最後まで脚を見せての2着。
5Fのロングスパート戦で、トップスピードが問われない流れの中でロスを小さく進めながらホッコーブレーヴやサウンズオブアースといった強敵は封じ込め、復調気配が窺えました。
ただ、アドマイヤデウスには完全に内容的に見劣っており、全盛期には程遠い内容だったと言え、今回は世代交代を決定付けられる1戦となりそうです。

★日曜日 共通
京都11レース

天皇賞・春

ラブリーデイ
この馬には距離不安があるため、適性を見極めるにはちょうど良かった前走の阪神大賞典でしたが、平均ペースの中弛みの流れで12.6 - 12.2 - 12.4 - 12.0 - 11.7 - 12.2とコーナーで徐々に加速しながら直線入りが最速というのはこの馬にとっては決して悪くない展開でした。
2列目ポケットから進めつつ3〜4角で進路を取りましたが動けないうちにゴールドシップらに一気に離されてしまい、見せ場なくじりじりと下がっての乾杯。
これまのでレース内容からも天皇賞では距離は長いように思えます。

京都記念で先着したスズカデヴィアス比較で考えても、ステイヤーズSでそれなりの競馬ができたスズカと比較して距離が伸びて仕掛けが早くなったりポテンシャル戦になったりすると甘くなってしまっているこの馬から考えれば優位性はありません。
距離適性という視点で見てもクリールカイザーやスズカといった同型の方が魅力的です。
この馬はトップスピードの持続力はそれなりに持っている馬ですが、基本的には中距離路線である程度基礎スピードを要求された方が良いタイプで、このクラス相手にトップスピード持続戦で通用するほどのものは見せていません。
京都記念のようなペースも仕掛けも遅いという展開なら良さそうですが、それでもクリールカイザー、スズカデヴィアスが長距離適性を示せているだけに、この馬には厳しい1戦となりそうです。

★日曜日 共通
京都11レース

天皇賞・春

クリールカイザー
今の京都は超高速馬場であり、高速適性が非常に高いこの馬にとってはプラス材料と言えます。
前半のスピードも高いレベルで持ち合わせている総合力タイプで、今の京都3200ではかなり不気味な1頭です。
京都コースは年々超高速馬場にシフトしている印象があり、仕掛けの意識はどうしても3コーナーに上り坂、下り坂があるため、下り坂の地点での仕掛けになりがちです。
昔の馬場状態ならこれでもロングスパートになりましたが、今の超高速馬場で4F戦だとトップスピードをどこかで要求される可能性が高くなります。
今回は恐らく逃げる立場になり、その中で待ちながら3コーナーまで持って行き、仕掛けを待ちつつ直線でスッと出し抜く昨年のようなラップを踏んでくるとこの馬のギアチェンジは生きてきます。
また、そこまでいかないまでも、内で仕掛けを待てればコーナーで各馬に脚を使わせることができ、主導権を握るという点でも意外と怖い一頭です。
前走の日経賞はポテンシャル戦で甘くなりましたが、直前の追い切りが良く見えなかった点もあり、ひと叩きして本番で上積みがあるようなら面白い1頭と言えます。
この馬最大の武器であるギアチェンジは前で仕掛けを待てる立場でこそ発揮されるもので、この辺りをジョッキーがどう引き出してくるかが焦点となります。
レースの流れを決める重要な一頭になることは間違いなく、各騎手前の意識が強い中でハナには立ちたくないという馬が多い中、ペースをスローにして各馬にスペースを与えずに展開を作れれば前々を意識した騎手は結構苦労するかもしれません。
この馬は逃げに拘る必要はありませんが、最低でも2列目で競馬をしないと同じ位置からのトップスピード戦では最初は良くても各馬がトップスピードに乗ってくると後半は苦しくなります。
ただ、戦術の幅自体は持っているだけに、それを生かしつつその中で主導権を握る選択を取れればチャンスはあります。
要所の良さはメンバー屈指で、ポテンシャル戦にならなければ甘くはなりません。
ギアチェンジを生かせる展開なら相手関係から考えても一発はありうる1頭です。

フーラブライト
ポテンシャル戦では中山牝馬Sでケイアイエレガント、キャトルフィーユを破っていますが、愛知杯では重馬場で12.7 - 12.5 - 11.9 - 11.9 - 12.3と3Fでトップスピードが問われないポテンシャルの勝負となり、ディアデラマドレ以下差し馬勢が台頭してきた中で外から前を向きながら伸び切れませんでした。
マーメイドSではややスローから12.2 - 12.1 - 11.5 - 11.3 - 12.0とL2最速で比較的トップスピードが問われてからのトップスピードの持続戦でもディアデラに完敗しており、中距離ではディアデラマドレ以上の評価はできません。
京都大賞典でもトーセンラーやヒットザターゲットレベルで同じ位置から正攻法で外々回して良さが出ておらず、これまでの内容的に判断すれば勝負に加われない1頭という評価となります。
これまでの傾向的に見てもトップスピード戦、ポテンシャル戦で安定はしていますが、高いパフォーマンスは日経新春杯というところからも、ゆったり進めてのトップスピード戦が最も適性的に合っているように思えます。
過去2度の日経新春杯で見るとトップクラス相手にはL1での甘さが目立っており厳しい印象です。
日経新春杯も含めてこの馬は意外と距離が長くてゆったり進める方が良いのかもしれません。
ただ、京都大賞典でのトップスピード持続戦での完敗や日経新春杯での甘さからも、昨年の天皇賞のような仕掛けの遅い流れならともかく、3〜4コーナーからの動き出しでトップスピード持続力が要求されると厳しい戦いになりそうです。
ここに入ると決め手に欠け、日経新春杯で同じ前を向けない中でL1までしっかりと伸び切ったアドマイヤデウスと比較しても強気になれる材料はありません。
アドマイヤデウスはトップスピード戦は対応はできるがベストとは言えないタイプで、内容的にそこで見劣ってしまうと今回のメンバー構成ではウインバリアシオンやホッコー、キズナといったトップスピードの質を秘めた馬相手に優位性は感じられません。