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【No.36 Res.0】 その1 1 鈴木♂ マゾッホの話が出たので、以前に書いたマゾッホ伝をここにも載せてみたい。
レオポルト・フォン・ザッヘル=マゾッホ オーストリアの作家。1836〜1895。代表作「毛皮を着たビーナス」で 女性に鞭で叩かれる被虐性愛を描いた。
その1.マゾッホの家系 レオポルト・フォン・ザッヘル=マゾッホ。 なんだってこんな長い名前かと言うと、親が長命に育つようにと‥‥って、 それは落語の「寿限無」だろう。 名前はレオポルトで、苗字がザッヘルとマゾッホ。 これは、父方の姓がザッヘルで、母方の姓がマゾッホだったということ。 ザッヘル家は代々の貴族でオーストリアの官僚の家柄。レオポルトの父も警察官僚 としてオーストリアの皇帝に仕えていた。一方のマゾッホ家も田舎の貴族ではあるが 代々続く名家である。母方の祖父は医者でたいへんに立派な人物だったそうだ。 ガリチアにコレラが流行した時、祖父は献身的に治療に当たったそうで、祖父の おかげで多くの人たちの命が救われた。この祖父に唯一の悩みがあった。 男の子がいなかったので由緒あるマゾッホの家名がとだえてしまうことだ。 そこでレオポルトの両親がマゾッホの家名も引き継ぐこととなり「ザッヘル= マゾッホ」と両家の姓を名乗ることとなった。 家名を残したいという祖父の願いは叶ったわけだが、レオポルトという孫の おかげで、被虐性愛の代名詞として、「変態」呼ばわりされその名が残って 行くとは、じいさん考えてもいなかったろうに。
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