1 鈴木♂

サザエさんの緊縛

日本を代表する御家庭向けマンガ・サザエさんなのですが実はあの大長編マンガ
の中で僅か二コマだけ、サザエさんが緊縛されているというシーンがあります。

それはどんなお話なのかというと、ある晩すでに就寝していた波兵夫妻は
サザエさん夫婦の寝室から聞こえて来る不審な物音で目が醒めます。
波兵さんは手にホウキを持ち、舟さんと二人でサザエさん夫婦の寝室に恐る恐る
行ってみると、そこには後ろ手縛り&猿轡&両足縛りといったアメリカンな
ボンデージスタイルで緊縛されたサザエさんが畳の上に転がっていて、それを
発見した波兵夫妻は驚愕します。

しかし次のコマで緊縛されたサザエさんの隣でマスオさんが机に向かい、何かの
本を脇目も振らずに読みながら「推理小説の結末を言おうとしたんですよ」と
波兵夫妻にクールに答えます。

私は小学生の頃にこの4コママンガを読んだのですが、今となって考えてみると
やっぱりちょっとおかしいのではないのかと (-_-;) 。
妻が推理小説の結末を喋ろうとしただけで、あんなに手の込んだ緊縛をしたり、
それにサザエさん夫婦の寝室にはロープが常備されているのだろうか? (-_-;)
(PC)
2 鈴木♂
サザエさんの作者である長谷川町子さんは戦後のアメリカンコミックに強い影響
を受けた人です。
サザエさん自体がアメリカの新聞連載マンガ「ブロンディ」の影響を受けていると
私は思いますし、「意地悪ばあさん」に至ってはアメリカの一コママンガ「意地悪
じいさん」の日本版だと言えると思います。
そんな長谷川町子さんの事ですからジョン・ウィリー氏の「スウィート・グエンド
リン」などのアメリカン・ボンデージコミックの事はたぶん知っていただろうし
それがサザエさんの緊縛シーンにも反映されていたのではないのかと。

芸術家というかアーティストという人たちは意外な処で意外な影響を外部から
受けています。
例えば日本の浮世絵がゴッホやモネなど19世紀の印象派に影響を与えたり、現代
のSMの世界に於いても純日本風の緊縛にこだわるあまり、自分のパートナーを
日本人女性の様に黒髪に染めさせてから緊縛を行っているというスイスのSM
マニアの人もいます。

最近何故か、ふと子供の頃に読んだサザエさんのマンガを思い出してこんな事を
書いてみました。
晩秋から初冬にかけての冷たい雨が降る人肌恋しいシーズンには、何故か子供の
頃の事を思い出す事が鈴木♂は多いみたいですね。
(PC)