1 鈴木♂

麻縄の存在理由

昔から疑問に思っているのですが、ジュート麻縄(ロープ)って今の日本で
存在する理由があるんでしょうか?

こう書くと反論される方もおられるかと思いますが、'50年代にナイロンなどの
化学繊維が普及し始めてから、それまで一般的に使われていた各種の麻縄はそれ
にとって代わられる様になりました。
例えばNHKで放送されていたTVドラマ「氷壁」の原作は、登山に使うザイルが
それまで使われていたサイザル麻縄からナイロン製に代わり始めた昭和30年頃が
舞台のお話です。

それ以外でも漁業や船舶関係で古くから使われていたサイザル麻縄は、現在では
その多くが化学繊維のロープに取って代わられていますし、現在でも残っている
サイザル麻縄は運動会の綱引きのロープかブランコのロープ、或いはトラックの
荷台縛りか手芸用位なもので、ジュート麻縄に関しては園芸や農業用の細い紐位
がメインの需要みたいです。
下駄や草履の鼻緒の芯に使う麻はサイザルですし、日本国内で神社やお祭りに
使われる伝統的な麻縄は埼玉などで限定的に栽培されている大麻です。

そう考えてみるとジュート麻縄の存在理由というのがよく分かりませんが、特に
SMで使われる様な割と高級なジュート麻縄って本当は何の為に存在するのだろう
か?と思い少し調べてみる事にしました。
(PC)
2 鈴木♂
数日間、検索エンジンを使って色々と調べてみたのですが、その結果どう考えても
高級なジュート麻縄でなくてはならないという物は無く、しいて挙げれば造園業で
庭木の移植(根っこを縛る)などには太いジュート麻縄が使われているみたいです。
しかしそれとて高級なジュート麻縄である必要もなく、一体何の為に存在するのだ
ろうと悩んでいたのですが、どうやら値段的な存在理由があるみたいです。

一般的に麻縄の値段は高い順に国内産大麻>マニラ麻>サイザル麻>ジュート麻
となるみたいなのですが、どうやらサイザル麻縄程強度はいらないが値段の安い
麻縄が欲しいというのがジュート麻縄の基本的な存在理由らしくて、そこに強度
よりも肌触りやアンティーク感が重要視される手芸業界やアダルトSM業界からの
需要?があって現在の高級ジュート麻縄という存在があるみたいです。

なお余談ですが、ちょっと前にとあるSMサイトで綿芯入り麻縄という珍しい画像
を拝見させて戴きましたが、これに関しては全く謎です。
ワイヤーロープに綿芯を使う場合はそれに油を染み込ませて防錆とするのですが
ジュート麻縄で芯を入れて強化する位ならサイザル麻縄を使うし、それだったら
綿よりも合成繊維を使います。
ちなみに合成繊維の芯入りサイザル麻縄は存在するみたいです。

日本国内でも麻縄やロープを通販しているサイトは多いのですが、私が以前見た
事があるアメリカの麻縄&ロープ通販サイトでは緊急解除用としてロープ切断用の
ニッパーも同時に通販しておりました。
私はそれを見た時に欧米人と日本人のSMに対する認識というか、パートナーに
対する認識が少し違う事を感じました。
(PC)