1 鈴木♂

ベルリンの売春宿

本日からドイツで始まったW杯ですが、開催国であるドイツでは色んな意味で
W杯観光客にお金を落として貰おうと努力をしております。
その一つが売春業で、ドイツという国は2002年から営業地域を限定しながらも
売春を一つの職業だと認め、合法化しておりますのでその業界の人たちは
昨年からW杯観光客を目当てに新しい売春宿などを建設しておりました。
決勝戦を含め6試合が行われるベルリンでもそれは例外ではなく、試合会場である
オリンピックスタジアムの近くにもW杯観光客目当ての新しい売春宿が建設された
そうです。

ドイツの売春婦は登録制で、連邦政府にアルテミス税という風俗税を納め
その代わりに法的に保護して貰うという仕組みで、売春宿と言ってもちゃんと
警察に登録してある施設ですから、非合法な管理売春や斡旋などは当然行われず
売春婦の職場であるベッドルームを提供し、宿のサロンでは客と売春婦の出会い
の場を提供するというのが主な仕事なのだそうです。

ではドイツの公的な売春宿とはどんなものかというと、各都市の中で指定された
地域(ベルリンではオラニエンブルガー・シュトラッセなど)にある売春宿に行き
そこでまず入場料として70ユーロ(約1万円)を宿に払い、売春婦と合意が成立
すると30分のサービス料として本人に直接60ユーロ(約8700円)を渡すといった
感じのシステムになっているのだそうです。

注)これはAP通信の記者が今年の4月にベルリン市内にあるプールやサウナ
  まで備えたかなりの高級売春宿で調査した料金です。
(PC)
2 鈴木♂
人気があるというか仕事量の多い売春婦は、宿に1日当り50ユーロ(約7200円)を
払えば部屋を自分の個室として借りる事もでき、この新システムを採用する事が
彼女たちを守る事ができるというのがドイツ連邦議会での合法化推進派の意見
だったそうです。

この合法化議案の発案者は意外な事に女性議員だったそうで、元々は非合法的な
存在である売春婦たちが、客の料金不払いや暴力的な被害を受けても警察に届け
出る事ができないといった悩みから、彼女たちを人道的に助けるといった意味合い
を持つ法案だそうで、キリスト教国といってもプロテスタント発祥の地ですから
キリスト教の教義よりも現実的な問題解決を優先したという気がします。
ちなみドイツでは売春業から転職したいという女性の為に、看護士や介護士に
なる為の職業訓練プログラムも一部の州では用意されているそうです。

ドイツ人という人たちは非常に現実主義的な側面を持つみたいで、売春にしろ
サド・マゾヒズムにしろ、そういった存在があるという事をまず現実的に認める
という所から全ての物事が出発しているみたいです。
そういった論理的な国民性が土壌となって、ハイレベルな科学や文化を生み出した
のかもしれませんね。
ちなみにドイツ国内で職業的な売春婦として登録している女性は現在約40万人いる
のだそうです。

なお余談ですが、ヨーロッパに詳しい日本人女性の眼から見たベルリンの売春婦
のファッションは、ハンブルクやアムステルダムの売春婦の様に露骨で卑猥な
ファッションとは異なり、ピンヒールとコルセットを必ず着用しているという
キッチュなファッションなのだそうです。
プロイセン王国からナチの第三帝国の時代までドイツの首都だったベルリン市の
女性はやはりそれなりのファッション感覚を持っているのかもしれませんね。
(PC)