1 鈴木♂

痛くないSM

よくお相手募集掲示板で「痛い、熱い、汚い事はできません」とか
「私は痛い事は致しません」という文章を目にします。
長年、SMを実践されている方々から見れば「ナンチャッテさんですか?」
と言いたくなるかもしれませんが、私は「痛くないSM」というものは
可能だと思っています。

以前、あるプロの調教師が自分の主催する調教サロンで実際に自分が
調教した女性の記録を一冊の本にまとめた物を読んだ事があります。
このサロンは会員制でOLなどをしているごく普通の女性が
SM体験をしたかったり、Mの快感を得たい時に訪れる所です。

ここを訪れる女性はSMの経験が無かったり、あっても苦痛を
快感に変えられる様なハードM女性ではありません。
じゃあ、どうやってそんなごく普通の女性にMの快感を与える
のでしょうか?

私がそれに気づいたのはその本の写真にしばしば登場する各種の
鞭の存在です。
バラ鞭や一本鞭、乗馬鞭などこの本には色んな鞭がプレイ中
使用されています。
しかしプレイ中のどの女性の裸体を見ても鞭の跡は一切ありません。
そこから導き出される結論は「実際に女性を鞭で打ってはいない」
という事です。
じゃあ何故、「使わない」鞭をプレイで「使って」いるのか?
これには心理学的なトリックが隠されています。
(PC)
2 鈴木♂
一般のノーマルの女性でも、お相手を何人も経験しているベテランM女性にも
心の中には「SM行為=変態行為」という概念が潜んでいます。
これはこの調教サロンを訪れる会員女性にも同じ事が言えます。
しかし、SM行為をしてみたい、Mの快感を味わいたいという
欲求も同時に存在してこのジレンマに悩まされるのです。

簡単に言うと「自分は変態ではない、しかしSMをしたい」
という心の中の矛盾による葛藤です。

そこで登場するのが「激しい苦痛を与えると思われる」鞭の存在です。
このサロンでSMプレイに入ると調教師は会員女性に鞭を見せて
「私の言う事を聞かないとお前に鞭でお仕置きをする」と
宣言をしているはずです。

その時に女性の心の中では
「自分はSM行為を望む様な変態ではないけど、この密室の中で
調教師の言われた通りの事をしなければ鞭で打たれて酷い目に会う。
だからイヤだけど仕方なく変態行為をするんだ」
という免罪符が作られるはずです。
そして調教師の言われるままに全裸となり普段できないアブノーマルな
行為ができる様になるのです。
(PC)
3 鈴木♂
この本の中の数百枚ある写真の中で会員女性の背中に鞭を
振るっている写真が一枚だけあります。
しかしそれは良く見ると本物の鞭ではなく工事現場にある様な
黄色と黒のロープを先端だけバラ鞭状に解いた物に見えます。
ひょっとしたら細い綿ロープを三つ編みにした物かもしれません。

その女性はその後に四つんばいで檻(大型犬用のケージ)に
入って行きますから、彼女にとってはその鞭打ちの「儀式」が
精神的に必要だったのでしょう。
なお、その女性の鞭打ち?後の背中の写真も掲載されていましたが
ほんのりと赤くなったという程度のものでした。

私がここに書いた心理学的な事はこの本には一切書かれておりません。
あくまでも私の推測ですが、たぶんこれが正解だろうと思っております。
ひょっとしたらプロの調教師の企業秘密なのかもしれませんけどね(笑)。
(PC)