月いろの手紙 SONG NOTE

過去ログ158 2012/9/17 22:19

▼彩 愛 美D
No Address
 
返信メールが 届かなくなった
あの日の 午後5:27
交差点に 飛び込んで来た
暴走車の 巻き添えになって

たくさんの人が 巻き込まれたけど
ただ一人 あなただけが
もう二度と 帰らない
人になってしまったのね

凍り付く時の 流れの隅々まで
探せなくなったあなたを 探し続けた


新着メールで 流されないように
誰にも教えず アドレスを変えた
しばらくは このまま誰とも
何の連絡も したくなくて

考える時間 たまらなく欲しい
まだ今は 混乱して
何も出来ないけれど
この場所から動くため

もう少しだけ 一人のままで居させて
途切れた時の糸は まだ紡げないから


ずっとこれから何があっても忘れられない
こんな風に記憶に残したくはなかったけど


失くしたアドレス もう戻せないの
どんな愛だって あなたにはなれやしない


*SONG for 古和泉 恋華
 
 
2012/9/17 22:19

▼彩 愛 美D
石  榴
 
どうしてだなんて もう聴かないで
このままきれいに 離れさせて
あなたと歩いた 想い出のアルバムを
もうこれ以上 汚さないで

昔のように甘く 優しいあなたの
腕にもう一度 抱かれてみたかったけど

もうあなたの 腕の中には別の
彼女の香りが 満ち溢れているのね
どんなに探してみても 私の
入る隙間なんて 何処にも無くて


『ゴメンね』なんて 口先だけの
言葉では何も 始まらない
ましてや傷付いた 心を晒け出す
剥き出しの愛は 護れなくて

石榴が朱く弾けて 壊れた私の
心臓も停まる程に 愛も見えない

秋木立に揺らぐ 蜉蝣の舞い
最後の時間が 近付いているのね
決められた運命を 覆せない
弱みなど誰にも 見せたくはない


最後くらいは 格好付けさせてよと
引きつる笑顔に 声も震えて
涙も笑顔の内だって 妙な事…


手の届かない所で 熟し切って
触れる事も出来ず 割れて落ちてしまうの
どれ程求めても 私の
物になる事も無く 風に消えて行く


*SONG for 川島 麗美
 
 
2012/9/14 23:17

▼彩 愛 美D
恋の同窓会
 
在りし頃の 幼い恋を
『お互い様』と 笑い飛ばしたね
薫りの飛んだ 珈琲2つ
気持ちと共に 冷めてしまうのね

まだ温め直せば 飲めるかも知れないけど
もう際立つ程の薫りは 戻せなくて
唯一の特別な ものでは無くなった

見終わった映画を 振り返るように
あれこれ場面を 語り合うけど
今更戻れるはずも無い ただの恋の同窓会


同じ恋の 個人授業
もう何度 繰り返し学んだの?
何時も赤点 ギリギリだった
恋人よりも 友達で居たね

本気で恋する事 何処か恐がって居ただけ
触れ合う手と手の 震えさえ頼り無くて
自分勝手にボーダーライン決めてしまった

高過ぎるハードル 飛び越えられずに
ズルして 迂回ばかりをしていた
今更どうでもいい話 過ぎた事よ同窓会


同じテーブルで 顔を突き合わせみても
何の情念も 涌き上がらないだなんて…


恋素材集めて 気持ちだけの恋
借り物の恋が 実るはずも無い
今更出席など出来ない そんな恋の同窓会


*SONG for 涌井田 朱子
 
 
2012/9/10 22:02

▼彩 愛 美D
守 護 星
 
見上げた夜空の 火星が蝕に入って
守護星が姿を隠してしまったその時に
あなたからの 別れの電話が鳴る
星占いだなんて 信じても居なかったのに
今夜は最下位だった事を 想い出した

不意に倒して割れた 望遠鏡のレンズには
もう守護星を捕らえる事も出来ないままで
私は星の運命を 受け入れた

これだけたくさんの星が 光を放つ空で
たった一つの星を 見失っただけの夜
一番大切にしていた 愛を失くした


修理するのに どれ程懸かるのだろう
その頃には近地点を通り過ぎてしまうから
今までみたいに 幸せな日々は
望めはしないくらい理解出来そうな事だと
遠くへと離れてしまう星 見送るのね

千切れてしまう程に 細くなる上弦の月
消えて行く最後の輝き何も出来ないままに
手離した幸せ遠くに 流されて

賑やか過ぎたパーティーの 客が皆帰って
たった一人になって 茫然自失な
光を失くした星座盤が 闇に沈む


また巡る星だとしても 同じ光は運べない
軌跡は傾いて 同じ幸せを運べない


黄ばんだ眩さの昨日 還る場所失くして
たった一度の恋が 小さくなって行く
もう二度と出逢う事もない 愛だったのに


*SONG for 川島 麗美
 
 
2012/9/7 23:06

▼彩 愛 美D
月面着陸
 
今夜 月に笑われて
想い通りの デートが出来ない
破れたドレスを 引き千切って
一人 裸足で 帰る道

不釣り合いに 背伸びして
似合いもしない 高いドレス
やっぱり 無理だったね

泣いて落とした 化粧が
自分の本当の 素顔を晒して行く
今の私に一番似合っている ブルースの中


想い 剥離されて行く
惨めなだけの デート抜け出して
失くしたヒールの 履き辛い靴
何もかも棄て 戻る道

所々 傷付いて
解れた想い 繕えない
もう 限界なんだね

替えの利かない 想いでも
何処かで切り棄てて 気〆を付けなければ
今の私に何も聴かないで一人にさせてよね


月面着陸したロケットもボロボロになって
パイロットも歩けない程に体力も失くして
これからの人生を 台無しにしたのよ


時間を掛けて 愛したのに
打ち明けた想いは 次第に小さくなる
今の私は無事に還る場所 探すだけだわ

*SONG for 麻  美
 
 
2012/9/3 22:05

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