月いろの手紙 SONG NOTE

過去ログ182 2014/4/16 23:16

▼彩 愛 美D
ばばぬき
 
もう違う道を歩き始めたと あなたが
指先でコインを弾いて 最後の
公衆電話を 掛けて来る

携帯電話が嫌いな あなたとは
連絡が何時も取れなくて待つしか無かった

寄りによってこんな電話を受け取るなんて
最後のジョーカーを 引き寄せて
私一人だけが 上がれないままに


みんながペアになって行くのに 一人だけ
はぐれて相手を探せない 私が
抜け出せずこの場所に 残される

配られたカード 様々な想いが
鏤められて辿り着いた 私の下へと

手から手へと想いが流れ 気持ちも変わる
最後のジョーカーに 裏切られ
私一人だけが 変われないままに


ただのゲームなんかじゃない
ずっと本気だった事を 何時になれば
あなたは気付いてくれるのでしょうか


何時も通りこんな結末が 待ち受けていた
最後もジョーカーを 引き当てて
私一人だけが 何処にも行けない


 
2014/4/16 23:16

▼彩 愛 美D
想い出ぐるぐる
 
蟻地獄みたいな 想い出の渦に
足を滑らせて 沈んでしまう
足掻けば 足掻く程に深く
この体は 更に沈むばかり

もうとっくに 忘れ去って居たのにと
諦めた恋だって 言い聴かせて居たのにね

想い出ぐるぐる 乱気流を起こして
私の周りで 渦巻いて行く
消しても消せない 恋の亡霊に
また今夜も 引きずり込まれて


螺旋に絡み着く 想い出の糸に
この身を預けて 海月のように
波の行くままに 流されて
この体は 何処に行くのだろう

もう要らないと 整理した想い出に
呪縛のようにまだ 自由を奪われている

想い出ぐるぐる 糸車に巻かれて
離れて行く事を 否定されて
切っても切れない 糸に縛られて
夜の海から 抜け出せずに居る


忘れてしまいたい 事ばかりなのに
どうして想い出して しまうのでしょう


想い出ぐるぐる 羅針盤に導かれ
どんどん過去へと 時間を戻し
走っても走っても 未来が見えない
泣き腫らした 目に映る昨日


 
2014/4/10 0:28

▼彩 愛 美D
桜見月(花見月)
 
飾り気なんて 要らない程に
ただ純粋に 想いを咲かせて

一つ一つが それ程には
輝きを放てはしないとしても

今を輝かせて 小さな花を集めて
一つの大きな 力にしよう
何時かきっと 実る日を夢見て
今はただ小さな 花で居よう


ほろ酔い気分 ぶら下げて来て
頬を朱く染め 想いを咲かせて

今日は何だか 気分がいいね
こんな日が毎日 続けばいいね

誰のためだとか決めたりしないで何時も
私のままで 今を生きて
それがふっと 誰かと繋がれば
一番の花だと 想えて来る


春らしい心を 何時でも持てたら
誰にでも優しい私で 居られるのかな


春に色付いて 小さな花を咲かせて
一つの物語を 始めよう
例え誰も 振り向かなくても
私らしい花なら 咲かせてみたい


飾り気なんて 要らない程に
ただ素のままに 想いを咲かせて


 
2014/4/2 23:56

▼彩 愛 美D
新  地
 
郵便番号のまだ 書き慣れない書き出し
新しい暮らしが 始まったのね
何一つ手も付けられないままに
箱の中で眠る 想い出の数々

まだ体に馴染まない 新着のスーツや
傷一つ無い ピカピカの靴だとか

新しく廻り出す タイムテーブルに合わせ
朝の時間だって 変わって行くのね
新しい街 新しい部屋 新しい風景
今日から踏み出して行く 第一歩


駅へと続く道が まだよく解らない内に
通勤や通学の波に飲まれ
人の向くままに 付いて行くだけで
余裕の一つさえ 持てない朝時間

春の陽気に誘われ ほんの軽い気分で
ふらりと新しい道を 散策して

息を切らして歩く 新しい街の道は
疲れを忘れさせる 好奇心に押され
新しい家具 新しいお店 新しい繋がり
自分でも信じられない 第一歩


灯台の灯りが ここからでも
薄ぼんやりと 見えている


明日を目指して行く 今日と言う何も無い
ただ普通の一日を 繰り返して行く
新しい朝 新しい一日 新しい生活
今日から初めての 一人暮らし


 
2014/3/26 23:26

▼彩 愛 美D
さくらだより
 
寒さを凌いで 浅き春の陽射しが
微睡む朝を 映し出して行く
目覚めたばかりの 若葉の幼さに
ふと気付いた 春の香り

遠く離れて 忘れていた人の名前を
不意に届いた 便りの中に見付けた

桜の咲く頃には 新しい出逢いがあって
それは必ずしも初めての人ばかりじゃなく
古い知人との新たな出逢いもあるものだと
こうして改めて 知る事となる


日に日に夜明けの 時刻が早くなって
連れ出す朝の 散歩の険しさ
夜明けに戸惑う 終日の余韻
花冷え一つ 春に残して

封に紛れて 春を運ぶ桜の花弁
微かに香る 小さな春が拡がる

桜の咲く朝には 新しい旅立ちがあって
降ろしたばかりの初めての靴に夢を繋いで
背筋を伸ばして 新たな気持ちで歩き出す
今日が明日の 道標になる


毎日が新しくなる 春の予感がして
この胸いっぱいに 夢を抱いて歩く


桜の咲く春には 新しい命が産まれ
全てが動き出す春への歩みを始める便り
初めての朝の目覚めを 体で感じている
今日の想いを 届けに行こう


 
2014/3/19 23:38

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