彩 愛 美 詩歌集

過去ログ187 2014/8/6 23:10

▼彩 愛 美
Southern Beats


コスタリカの 渇いた風も
刺激的な水着に 充てられて
言葉を失くして しまう程に
情熱の炎を 燃やして

恋はソクラテスの 辞書でも解らない
一つ一つが違う方程式で 出来ている

歌は サンバに タンゴに ジルバ
頭で考えるよりも もっと感じて
情熱のリズムで 舞い踊り
胸の奥まで ビート刻んで


南よりに 傾く陽射し
時を増して 暑くなるけれど
それ以上に 熱い想いで
心の芯まで 焼き尽くしてよ

例えガリレオの 物理学でも通じない
前代未聞の事例ばかり 並べ立てる

恋は ランバダに ジャイブに チーク
激しさに潜む 優しさを信じて
使い時を ちゃんと弁えて
メリハリの効いた パンチ与えて


停まらないビートが 鳴り響く胸の中
頭の中が空っぽになっても まだ続く


そして ワルツに サルサに レゲエ
ソウルを揺さぶる ビートを響かせ
焼き過ぎた 小麦の肌癒し
眠れない夜を 踊り明かせ



2014/8/6 23:10
HP

▼彩 愛 美
空の真ん中で

空の真ん中で
太陽とも
月とも付かない物体
もうどうでも良くなった僕を
何度救ってくれたのだろう

目には見えない程の
蜘蛛の糸みたいに細くて
ロープよりも頑丈な糸?
あの空から真っ直ぐに
目の前に垂れて来て
このどん底奈落から
引き上げてくれる

二度とは無い
空の景色が
暗雲立ち込める心に
一筋の光を注ぎ
俯いていた気持ちは
何時か空を仰いで
あまりの眩しさに
笑顔が零れる

都会の中での仕事
人と人との摩擦
時間との競争
昼でも夜でも
空を見上げるなんて事
もうずっと忘れていた

この空の真ん中で
浮かぶ雲になって
時間を停めて
緩やかに流れていたい


2014/8/4 0:36
HP

▼彩 愛 美
金 魚 雲

川伝いに伸びて行く土手道は
細く高く曲がりくねって続く道
帰り人の群がりと行き交う頃は
とても怖い想いを重ねた

尾を引く雲が 段々に色を変えて
家の待ち人への 想い募らせる

投げ入れた石の 波紋のように
拡がっては消える 夕景色
空を泳ぐ 金魚になって
帰り人達を 眺めていた


消え行く記憶の糸の綾取りは
不安で不器用な指で手繰る糸
橋の袂で渡るかどうかに戸惑う
直ぐに闇が迫る夕間詰め

丘と空の境で 拡がって行く
移り変わる千変万華の絵地図

連なる細い 糸みたいな雲
切れそうで消えない 綴れ織り
空を染める 朱衣 羽織り
巡る夕空を 泳いでいた


明日 晴れる また逢おうねと
絡めて指切り 言葉の後先


物想いに沈む 空の鬼灯
伸びる影の 先の先まで
家路を辿る 帰り人の流れに
空の金魚を 浮かべていた




2014/8/4 0:35
HP

▼彩 愛 美
愛憎の海

愛と憎しみの間で
満ち引きを繰り返す
二人の海
どちらが勝つとか
そんなんじゃ無いけれど
つまらない事で
喧嘩したりだとか
些細な事で
大笑いする程に
仲直りしたりだとか
よく 解らないけれど…

ただ解る事は
どちらかの想いが
強過ぎれば
反動の波も大きくて
堤防を越えてしまえば
どちらの想いも
流されてしまうから

キャパシティの範囲内で
軽く揺れ動いているのが
一番いい
小さな嵐のような喧嘩も
波長を合わせるには
きっと必要な事なんだと

沼のように動かない水は
直ぐにでも腐ってしまい
海のように満ち引きを
繰り返す動く水には
こんなにも生命力が
溢れている





2014/7/28 0:31
HP

▼彩 愛 美
早 蝉

まだ明け切らない 梅雨空の下に
早く出て来過ぎた 蝉達のように
見切り発車した ままごとの恋愛
ちゃんと育つとは 想えないまま

数少ない晴れ間の 僅かな機会を
活かして探せない 恋の行方なら

このまま一人恋愛のままで 何も出来ずに
消えてしまう運命を 受け入れて
それでも好きと 言えるのなら


世間知らずに 始まる恋愛
ナビも持たない ローテクな恋愛
経験値も少ない 未熟な恋愛
ちゃんと立つ事も 出来ないまま

数多く射る矢も 射るべき的を
何処にも見出せずに 居ると言うのなら

このまま果ててしまっても 仕方無いけれど
生きられる機会を 与えてくれて
最後に言いたい 有り難うと


恋とは呼べない 幼い恋心に今まで
付き合わせてしまって ゴメンね
今度また違う空の下で 逢えるのなら
その時はどうぞ よろしくね


苦しみだとか喜びとか 泣き叫んでも
どれ程声を 枯らしたとしても
恋しい青空は 見えなくて






2014/7/24 0:17
HP

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