彩 愛 美 詩歌集

過去ログ186 2014/7/21 0:43

▼彩 愛 美
幸せの条件

『幸せ』と言う言葉程
曖昧な言葉は無い

人の持つ価値観は様々で
スケールも違うから
内容だって違う

自分だけの事
周りの人の事
物質的な事
精神的な事
求める物は
人の数だけ存在する

年齢を重ねてこそ
見えて来る『幸せ』だって
存在する

何かをして上げられる
自分以外の誰かを
見付けた人は
きっと
『幸せ』な人なのだろう

全ての人を救うなんて
出来はしないけれど
守るべき数人が居る事が
何時の日にかきっと
『幸せ』の条件になる


2014/7/21 0:43
HP

▼彩 愛 美
はないちご

指の先で 風の声の
溢れる優しさが 揺れている
想いの丈の 一片でさえも
伝える術を 知らぬまま

どれ程側に 見えたとて
雌しべと雄しべの 遥かな距離感

想い想えば 一途に花苺
時のせせらぎに この身を委ねて
刹那の波の 飛沫を白い花に
浴びてやがて 朱く染まる


雑事の節に 追われるまま
想いは何時しか 離れて行く
明日の朝を 目指すように
夢路を開く 夜かいな

蝶や蜂の 舞い姿
想いを託して みたいと想うもの

願い願うは 切ない花私情
言葉に出来ない 想いの数々
一花一花に 詰め込むように
伝えられたら いいのにね


取るに足らない 小さな花は
誰にも気付かれないままに 咲いている


記し記しても 尽くせぬ時硯
淡く濃ゆく 強弱を付けて
想いの一つさえ 残さないように
言葉に代え 朱く実れ




2014/7/17 0:54
HP

▼彩 愛 美
過 敏

心地良い
眠りから覚めた僕は
茨の中に包まれていた

そこには
今までに居た
父や母も
兄や姉も 居なかった

今まで 助けてくれた
友達は ずっと先で
早くおいでよと
手招きするばかり

どうやら
この茨道は
見えないらしくて
過敏過ぎる僕だけが
一歩も動けずに
ここに居続ける

確かに
昨日まで見えなかった
それが
今日突然に現れて
周りの世界から
僕を遠避けて行く

今までが
過保護だったのだろうか
僕を守ってくれた者は
もう 何処にも見当たらず
想いは 更なる
過敏を募らせるだけ


2014/7/14 0:22
HP

▼彩 愛 美
Last Rain

雨に画面が ザラ付いて今夜
予約したビデオが 録れなくなった
あなたの顔や声が 想い出せなくて
泣き出したい夜が 何時までも終わらない

ふざけているような あなたの真剣顔さえ
笑えてしまう程 私は別れに鈍感になる

目の前にある危機感も 幸せボケした
安心感のせいで 気付けなくて
重さに耐え切れずに 落下するのを
最後の一本だけが 繋げていた


横殴りに 吹き荒れる深夜
余裕を失くして 心が停電する
電池が切れて 声も出せない位に
動かない心は 何も感じられない

急ぎ足が似合う 取り付く島も無い私
冷静さを欠いて あなたを見詰められない

目の前に居る 人の事を愛せなくなる
静かに崩壊する 恋愛観
支えを失い 自壊する心が
今最後の悲鳴を上げて 終わりを告げた


呆気無い程よ 落ちて行く加速度
ブレーキの無い 奈落行きのエレベーター


目の前で散る 愛が見えない程無関心
そのくせ貪欲過敏になる恋
バランスを崩す スピンする想い
コントロールを失い 何も出来ないままに



2014/7/9 23:27
HP

▼彩 愛 美
有り難うのロスタイム

もう そう長くは無い
限りある時間の中で
命の残量が僅かだと
何とは無しに感じていて
多分自分の役割が
無事に完了したのだろう

全ての事がまるで
再現ビデオを見ているように
何もかもを 受け止められる

どうせなら
笑って 死ねたらいい
苦しくても 辛くても
その瞬間だけは
笑って居られたら いい

有り難うって 感謝してさ
家族で居てくれて 有り難う
友達で居てくれて 有り難う
仲間で居てくれて 有り難う
みんなに伝えたい 有り難う

やがて…ロスタイムは尽きる

ごめんなさい
もう ここには戻れない
大丈夫 一人旅は慣れっこだから
淋しくなんか無いよ
何時もようにさ
今度も 一人で行くよ

もう…ロスタイムも終わる

2014/7/6 19:43
HP

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