彩 愛 美 詩歌集

過去ログ207 2015/9/6 23:30

▼彩 愛 美
将来設計

よく
小学校の作文などで
10年後の自分に向け
こうなっているだろうと
手紙を書いたりする

今 この時代にあって
10年後どころか
1年後ですら
先の見えない闇の中で
望むべき未来が
そこにあるのかなんて
誰にも解らずに居る

経済は破綻して
仕事は無く
消費活動も
縮小して行き
通貨は停貨となり
ますます経済は 低迷する

一国の主は
次々と交代して
名前を覚える間さえ
与えてはくれない
利権争いばかりして
救世主は現れずに
誰一人 期待も夢も
持たなくなってしまう

夢の花の咲かない国で
どんな風にこの先
将来の設計図なんて
描けるのだろう


2015/9/6 23:30
HP

▼彩 愛 美
First Step Love

自覚と無自覚の狭間で 自分の感情に
まるで気付かない 素振りで居る
経験不足と 言えばそれまでの
未熟な恋の 第一歩だった

自分の中で 整理が付かない
もやもやして 気持ち悪い感覚

もがく程拭えない この気持ちは
日に日に強く 大きく膨らんで行く
爆発しそうな 鼓動抑え切れない


理論で説明の出来ない 自分の感情が
何処に向かうのか 探れなくて
未知の領域 踏み込めば戻れない
覚悟を決める 第一歩だった

どんなに遠く 離れていたって
引き合う地球と 月のように

切っても切れない 二人の関係を
少しづつでも 次第に感じ始めて
半分だけ手の 届きそうな距離へ


それとなく 何となく 想いを
あれや これやと 確かめてみた
最初の言葉を 探しながら


何時かそれを 初恋だと気付く
その日に決して 後悔しないよう
今ある大事な気持ち 伝えに行こう


2015/9/2 21:52
HP

▼彩 愛 美
白い世界

白いドアを開けて
白い部屋へと入る
ただ白いだけで
何も無い部屋

一度入ってしまえば
ドアも消えて
入口だった場所も
出口になる場所も
見付けられなくて
この部屋が
どれだけ広くて
どれだけ狭いか
まるで掴めない

この部屋でこれから
どんな色に染め上げ
何を創って行くのか
どう生きて行くのか
きっと問われている

これからの毎日は
この部屋の課題を
どうクリアするか
この部屋に巣食う
ボスを打ち倒して
次の部屋への鍵を
手に入れるために
スキルアップする

そしてまた
次の白い部屋へと
ようやく見付けた
白いドアに
手を掛けた


2015/8/30 23:02
HP

▼彩 愛 美
極−kiwa−

席を立つ 刹那の瀬戸際で
青春の全てが 終わってしまう
長く馴れ合った 仲良しなんて
友達以上には 発展などしない

突然現れた 『運命』だとか言う人に
後ろから追い越されて 奪われて行く

もう後は宜しくねと 立ち去るしか
他に出来は しないでしょ
友達として 見送るわね


声を圧し殺して 言葉噛んで
今までの歩みに ピリオドを打って
恋はこうやって 壊れて行くの
早い者順とは 想いたくないけど

解りたかった関係 逆に告白出来ない
その隙に割り込まれて 愛の告白

鳶に油揚げと 言う有り様
笑うしか 出来ないでしょ
身を引くとかじゃ ないんだけど


何から何まで 知り尽くしていただなんて
勝手に勘違いをして 踏み込むライン
見極められないままで 通り過ぎていただなんてね


引き返す電車は しばらく無い
ロスタイムも 馬鹿にならない
今引き返す『極』と 気付いたのよ



2015/8/27 5:53
HP

▼彩 愛 美
落とし物
人は この世界に
100の宝物を持って
生まれて来る

誰がどんな宝物を
持って来るのかは
それぞれ違っていて
歳を重ねる度に
一つづつ
落として行く

どのくらいのスピードで
落として行くのかも
それぞれで
使う前に気付かずに
落としたり
意味無く使っていたり

人は 皆違う
100の宝物を持って
生まれて来る

ただ一つ
最後の共通の宝物
『命』を 落とした時
物語の全てが
終わってしまう

本当に大切な宝物
ちゃんと気付いて
使って上げられるのか
それが人の価値になる
大切な 大切な
100の宝物を持って




2015/8/23 23:09
HP

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